「年収600万円の人はどんな生活をしているの?」と興味のある方もいるのではないでしょうか。国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、年収600~700万円以下の人は339万7000人で、全体(5255万1000人)の6.5%。同調査による平均年収は436万円ですから、年収600万円ならゆとりのある生活をおくれるイメージがあります。

もう少し詳しく年収分布をみてみると、年収100~300万円以下が29.1%、年収300~400万以下が17.0%、年収400万~500万以下が14.6%。日本では年収600万円以下がボリュームゾーンというのが実情です。

同調査では男女別の平均年収が男性540万円、女性296万円。夫婦共働きであれば、世帯年収は600万を超える家庭もいるでしょう。

年収だけで見ると600万円台の世帯はゆとりをもてる印象がありますが、家族構成や年齢によっても、暮らしぶりは変わります。実際に年収600万円のリアルな貯蓄や負債事情をみてみましょう。

【年収600万円・勤労世帯】リアルな貯蓄と内訳は?

まずは総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、年収600万円台の勤労世帯の貯蓄額と内訳を確認します。

【年収600万~650万円・勤労世帯】の貯蓄事情

  • 平均年収…622万円
  • 平均貯蓄額:1209万円

〈貯蓄の内訳〉

  • 通貨性預貯金:412万円
  • 定期性預貯金:376万円
  • 生命保険など:263万円
  • 有価証券:126万円
  • 金融機関外:32万円

【年収650~700万円・勤労世帯】の貯蓄事情

  • 平均年収…672万円
  • 平均貯蓄額:1229万円

〈貯蓄の内訳〉

  • 通貨性預貯金:405万円
  • 定期性預貯金:316万円
  • 生命保険など:330万円
  • 有価証券:140万円
  • 金融機関外:37万円

年収600万前半と後半の勤労世帯とも、平均貯蓄額は1000万円を超えています。通貨性預貯金の保有が最も多く、次いで定期性預貯金、生命保険を保有している人が多いですね。株式や債券などの有価証券の保有も100万円を超えているのが分かります。

貯蓄だけ見ると1000万円を超えますが、同時に見るべきなのが負債額。貯蓄から負債額を引いた数を「純貯蓄額」といい、本当の貯蓄といえるのです。