ニュージーランドは、太平洋のはじっこにある人口500万人ほどの小さな国です。正直なところ、オールブラックス以外、この国が世界に名を馳せるというような機会は決して多いとはいえません。
しかし、意外な分野で「世界有数」と言えることがあります。それは人口1人当たりのアイスクリーム消費量が年に23リットルだということ。ニュージーランド・アイスクリーム・マニュファクチャラーズ・アソシエーション(以下、NZICMA)によると、ニュージランドは世界で最もアイスクリーム消費量が多い国の一つなのです。
23リットルを日本でよく食べられているカップ入りアイスクリーム(容量200ml)に換算すると、何と115個分。「年間とはいえ1人でそんなに?」という声が聞こえてきそうですが、これはニュージーランドのアイスクリームがそれだけおいしいということなのではないでしょうか。
主原料のミルクが味の決め手
1人当たり年に23リットルも口にしてしまうほどの味を誇るアイスクリーム。前出の、国内アイスクリーム製造業者を代表する組織・NZICMAによると、そのおいしさの重要な鍵を握るのが原材料のミルクです。
乳牛は1年を通して、広大な牧草地で放牧され、草を食べてのんびり暮らしています。ストレスの少ない環境のおかげでしょうか。ミルクは濃く、深い味わいがあります。これに酪農大国ならではの優れた技術力と、高い品質・衛生基準が加わると、誰をも虜にしてしまう味ができあがるようです。
このNZICMA主催で、国内のアイスクリーム・ナンバーワンを決める「アイスクリーム・アワーズ」が毎年開かれています。1997年から続き、アイスクリームだけでなく、ジェラートやソルベ、フローズンヨーグルト、乳製品を使用しないアイスクリームなどが対象です。