「想定外」に備えたマネープランを!

「年収600万円」と聞くと、順調に貯蓄も進み、ゆとりある生活ができるだろう、といイメージもあります。

しかし直前で触れたように、「貯蓄額」から「負債額」を差し引いた「純貯蓄額」は決して多くはないことが分かります。

教育費や住宅ローンの支払いが落ち着いたとしても、やがて自分自身のリタイヤ後の暮らしが待っています。2019年に話題となった「老後資金2000万円問題」を意識した場合はどうでしょう。

仮に「40代後半で貯金が1000万円があった」としても、老後生活が安泰かどうかは…、かなり微妙なところかもしれませんね。

サラリーマン世帯であれば、定年退職金を受け取ることを前提に、老後資金の計画を立てていらっしゃるケースも多いでしょう。とはいえ、近年の退職金事情は厳しいものとなっています。

私たちの「仕事」や「生活」を取り巻く環境は、極めて先行き不透明。私たちに求められるのは、今現在の「年収」に一喜一憂することなく、例えばいまのコロナ禍のような「想定外のアクシデント」に備える姿勢なのかもしれません。

「子育て費用や住宅ローンが落ち着いた50代以降に、いっきに貯蓄のペースを上げていく」という発想も、決して間違いとはいえないでしょう。しかし、収入減や失業、さらには病気やケガといった事情がいったん起これば、思うように貯蓄が進まなくなる可能性もあります。

そこで、ぜひ視野にいれていただきたいのが、「資産運用」です。

お持ちの資産を、預貯金や保険商品、そして「資産運用(投資信託や株式など)」にバランスよく振り分けて保有することは、効率よくお金を育てていく第一歩であるといえます。

また、資産運用は長期間運用するほど、リスクが軽減し、リターンが安定してきます。「人生100年時代」を見据えた資産形成をスタートするのに、早すぎることはありません。

「お金のプロ」のアドバイスなども活用しながら、ご自身そしてご家族に合う資産形成のスタイルを見つけていかれることを、ぜひお勧めします。

参考資料

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。