いま65歳以上に該当するのは、1956(昭和31)年以前に生まれた方になります。

第二次世界大戦を終結させるために平和条約が結ばれたのが1951(昭和26)年なので、いまの60代はまさに終戦直後に誕生し、日本の高度経済成長を支えてきた世代です。

バブル世代とも呼ばれるこの世代は、いまの現役世代からは想像できないような好景気を経験した反面、働き盛りである30代にバブル崩壊も経験しています。

まさに「山あり 谷あり」の時代を生きてきた60代。それでは、65歳を迎えたときに「2000万円」以上の貯蓄がある方はどのくらいいるのでしょうか?

さっそく見ていきましょう。

バブル世代が現役だったころの「家計の黒字率」は何%?

そもそも「貯蓄」は、基本的には「毎月の収支の黒字分を使わずに貯めておく」ことができる状態をさします。

「バブル世代」ときくと、さぞかしお給料も高く、たくさん貯蓄もできただろうと想像する方も多いかもしれません。

ここでは少し古い資料ですが、厚生労働省「平成23年版厚生労働白書」内の図表から、給与水準と家計の黒字率の推移をみてみました。

実収入に占める黒字の割合

  • 1961年:実収入4万453円(黒字率10.1%/非消費支出7.4%)
  • 1985年:実収入44万4846円(黒字率18.9%/非消費支出16.0%)
  • 2009年:実収入51万8226円(黒字率21.0%/非消費支出17.4%)

黒字率は順調に上がっているようにみえますが、時代が下るにつれて非消費支出(税や社会保険料)の割合も同時に高くなっています。

バブル崩壊を境に、共働き世帯が増え続けていますので、世帯としての収入が増えているという背景はありながらも、単に「お給料が増えてたくさん貯蓄ができるようになった」というわけではなさそうです。