60歳で定年してから65歳まで、無職の場合の生活費はいくら?

60歳以降も働きたいと思っている人(936人)が答えた「60歳以降も働きたいと思う理由」のトップ5は以下の通り。最も多かったのは「生活の糧を得るため」の77.0%でした(複数回答)。

  • 生活の糧を得るため:77.0%
  • 健康を維持するため:46.2%
  • 生活の質を高めるため:33.9%
  • 働くことに生きがいを感じているため:28.8%
  • 仕事を辞めてもやることがないから:24.9%

回答者の年齢別にみると、60歳~64歳の8割以上が「生活の糧を得るため」に60歳以降も働きたいと考えています。

では、生活にかかる費用はどのくらいかというと、総務省の「家計調査(家計収支編)2020年平均」では、「二人以上の世帯のうち無職世帯/世帯主の年齢60~64歳」のひと月あたりの消費支出は272,108円※。

60歳で定年退職した後に収入がなければ、年金の受給が始まる65歳まで5年間の生活に約1,630万円の生活費を貯蓄から支出することになります。60歳前後の年齢層の多くが、定年退職後も生活の糧を得るために働きたいと考えるのは無理もないことだといえるでしょう。

※参考:コロナ前の2019年のひと月あたりの消費支出は272,927円。

シニアの理想は「現役時代と同じ会社で非正規雇用」

また、65歳以降も働きたいと思っている人(780人)に、どのような働き方を希望しているのかも聞いています。

その回答のトップ5は以下の通り。最も多かったのは「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正規以外の雇用形態で働く」の42.4%でした。

  • 現役時代と同じ会社(グループ含む)で正規以外の雇用形態で働く:42.4%
  • 現役時代と同じ会社(グループ含む)で正社員として働く:33.1%
  • 現役時代と異なる会社で正規以外の雇用形態で働く:21.2%
  • 現役時代と異なる会社で正社員として働く:12.1%
  • 会社をやめてフリーランスとして働く:12.1%(1つ上の回答と同率)

定年退職後に新しい会社で働くことを考える人は少数派で、現役時代に勤めていた会社で引き続き働きたいと思う人が多いようです。仕事内容がよく分かっている慣れ親しんだ職場であれば、一から新しいことを始める気苦労がないと考えているのかもしれません。