正規と非正規雇用の賃金差は2倍以上
また、1カ月の賃金(税込)を聞いたところ平均は18.9万円ですが、回答は以下のように分かれています(図表3参照)。
- 5万円~10万円未満:20.0%
- 10万円〜15万円未満:15.8%
- 15万円~20万円未満:19.3%
- 20万円~25万円未満:20.5%
雇用形態別の平均でみると、正規雇用者の33.1万円に対し正規以外の雇用者は13.0万円と、賃金の格差はかなり大きいことが分かります。
働き方には満足しているが賃金は不満足!?
さらに、現在の仕事の満足度については、「満足している」と回答した人が7割を超える項目は以下の通りです。
- 働き方:70.3%
- 労働時間:73.8%
- 労働目標:73.3%
- 仕事内容:71.5%
しかし、賃金については「満足している」が44.0%と、半数以下にとどまりました。仕事自体には満足しているものの、報酬には納得していないことがうかがえる結果になっています。
おわりに
60歳以降働くシニアは、働き方にはそれなりに満足しながらも賃金面では納得していない部分もあるようです。労働時間は現役時代とそれほど大きく変わらないのに、60歳以上の雇用形態は非正規の場合が多いため、給料は大きく減ってしまうのが現実。
シニアの働く機会は増えてはいますが、給料のみを目的としないことが60歳以降の働き方には必要かもしれません。とはいえ、老後に働く選択肢があるというのは老後資金が心配な現役世代にとっても心強いことなのではないでしょうか。
参考資料
- 高齢者雇用に関する調査2020(日本労働組合総連合会)
- 家計調査(家計収支編)2020年平均(総務省統計局)
中野 令子