今、ママたちのストレスのもとになっているのが、「食費の逆マウント」。食費でマウントを取る、と聞くと「ランチに〜万円使って」とか、「食材はどれだけ高くても、産地やブランドにこだわってるの」などという発言を思い浮かべますが…。
逆マウントとはその名の通り「どれだけ食費を抑えられるか」でマウントを取るケース。それだけなら「節約上手だね」で済む話なのですが、「それに比べてあなたは無駄遣いしすぎ」と攻撃してくるのですからたちが悪い。今回は、そんな逆マウントに遭遇したママたちのケースを紹介します。
見ず知らずの人に家計を責められて…
40代の専業主婦Aさんは、小学4年生の子供が中学受験をしたいと言い出したのを機に家計の見直しを決意。現在通っている塾でもじゅうぶん受験対策は可能ですが、節約して浮いたお金で、もう少し月謝の高い「受験専門の塾」に通わせてあげたいと思ったそうです。
自分なりに節約できるところは節約していましたが、ふと「もしかしたら他の人にアドバイスをもらったら、もっと節約できるかもしれない」と考えたAさん。
とはいえ、知人に我が家の懐事情を話すのは、ちょっと抵抗がある。かといって家計診断の専門家に聞くほどでも…。
そんなときにAさんが思い立ったのが、ママ向けの匿名掲示板。ここなら素性も知られないから気楽に相談できるはず、と軽い気持ちで「家計診断よろしくお願いします」と言う一言とともに、1カ月の家計の内訳を投稿したのですが…。
寄せられた回答を見て、Aさんは唖然!
- 「食費が月8万円なんてかかりすぎ!家族3人なら5万でいけます」
- 「外食は月5千円でじゅうぶん。外食費が2万円だなんて節約する気ないのでは?」
- 「旦那さんのお小遣いが昼食込みで月に5万円なんて多すぎ!専業主婦ならお弁当を作ってあげて、お小遣いを月に3万円にすればいいのに」
などなど、自称「節約上手」な人たちからダメ出しのオンパレード!
「正直、かなり凹みました」とAさん。
結局、家計節約術の具体的なアドバイスは貰えずに、「無駄遣いしすぎ」「家計管理ができていない」と好き放題言われて終了だったそう。
「その掲示板での私は、節約上手な人たちが逆マウントを取って、優越感に浸るための格好の『獲物』だったんだなぁ、と痛感しました」とAさんは、肩を落としながら語ってくれました。
ママ友の「節約自慢」にゲッソリ…
続いてお話を伺ったのは、3歳の男の子のママ、30代のHさん。Hさんが逆マウントを取られた相手は、ママ友だったのだそう。
「私がコンビニのコーヒーを買って公園に遊びに行ったこと、それが逆マウントの始まりでした」とHさん。
そのママ友は、Hさんが手にしているコーヒーを見たとたん、信じられない、と言う顔をして「なんでコンビニなんかでコーヒー買ってるの?」と聞いてきたのだとか。
喉が渇いたし、なんだかコーヒーが飲みたかったから…とHさんが答えると、ママ友はHさんに、諭すようにこう言ったそうです。
「コーヒーなんて、家で水筒に入れて持ってくればいいじゃない」
それから話はいつの間にやらママ友の「節約自慢」へ…。
「なんでも彼女は、家族3人で食費が月に2万円だと言うのです。思わず『すごいね! 私なんてその倍以上かかってるよ』と言うと、『え? 旦那さんが稼いできてくれたお金をそんな無駄遣いして、申し訳ないと思わないの?』と言われたんです」
思いがけない一言に返す言葉も見つからないHさんにお構いなく、話を続けるママ友。でも、正直なところ、全く参考にならなかった…とHさんは話します。
「だって、まず、お米は実家から送られてくるからタダ。スーパーで購入するのは見切り品メイン、子供のおやつは基本的におむすびか野菜スティック…。そんな生活憧れないし、うらやましいとも思いませんでした」
最終的にHさんは「我が家は我が家のやり方があるから」と言い放ったため、そのママ友とは気まずい状態に。でも、「後悔はしていません」とHさんは晴れ晴れした表情で話します。
「お互いの家計の事情も違うし、お金の価値観だって違う。私は家族に新鮮な食材を使った料理を食べさせてあげたいし、子供のおやつだって、『お楽しみ』になるようなものをあげたい。自分の金銭感覚を他人に押し付けるなんて、ナンセンスな話です」
おわりに
今回のAさんとHさん、ふたりのエピソードを聞くと、「食費の逆マウント」がなぜ忌み嫌われるのかが、よくわかった気がします。
確かに食費は家計の中でも節約しやすいものですが、収入や支出は家庭によって違うもの。節約上手は確かに素晴らしい才能ではありますが、それを「求めていない」人にまで押し付けるのはナンセンス以外の何物でもないのです。
大中 千景
