2021年7月16日に行われた、株式会社サーバーワークス2022年2月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社サーバーワークス 代表取締役社長 大石良 氏

新型コロナウイルス感染症の影響について(継続)

大石良氏:みなさま、こんにちは。サーバーワークスの大石でございます。本日も当社の決算説明会にご参加くださいまして、誠にありがとうございます。関東地方は今日にも梅雨明けとのことですが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか? それでは、決算内容について私からご説明させていただきます。

2022年2月期第1四半期の決算内容についてご説明します。まずは、新型コロナウイルス感染症の影響についてです。当社は、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大防止への取り組みを続けており、90パーセント以上の社員が在宅勤務を継続しています。

一方で、全社員に毎月2万円の在宅勤務手当を継続的に支給することで、在宅勤務によって生産性を落とさないよう十分な配慮を行っています。

4月に緊急事態宣言が発出されましたが、すでに決算説明会でもご案内のとおり、昨年末より受注は回復基調にあり、4月の緊急事態宣言後も目立った影響はないものと認識しています。

2022年2月期 Q1 トピックス①

第1四半期のトピックスについてご説明します。1つ目として、デロイト トウシュ トーマツ リミテッドが毎年開催している、APACで成長著しい企業を表彰する「Fast 500」というランキングにおいて、弊社が受賞することができました。

2つ目に、株式会社インサイトテクノロジーさまとの協業を発表しました。インサイトテクノロジーさまは「Oracle Database」に非常に強く、導入のご支援や、「Oracle Database」をより安全に使うための製品群も持っています。

このような製品が、金融機関のお客さまに非常に好評で、「Oracle Database」を使用する場合、インサイトテクノロジーさまの製品を導入するケースが多いそうです。昨今、金融機関でも「AWSクラウドを使っていきたい」というニーズが高まっています。

インサイトテクノロジーさまと協業することで、すでに「Oracle Database」をお使いの金融機関が、スムーズに「AWS」のクラウドに移行できる座組を整えました。

2022年2月期 Q1 トピックス②

3つ目が、ウイングアーク1stさまとの資本業務提携です。ウイングアーク1stさまが上場するタイミングに合わせて、我々も出資しました。今後、ウイングアーク1stさまでは、オンプレミスが多かった製品群をお客さまと一緒にクラウド化していく取り組みを支援します。

最後に、一昨日発表したトピックスで後発事象になりますが、Bespin Global Inc.と業務提携を行い、日本でGoogle Cloud Platform事業に参入することになりました。

韓国のBespin社は、APACでNo.1のGCPパートナーです。APACで優れた実績や強みを持っているパートナーと組むことにより、日本でのGCP事業の立ち上げに際し、技術的にも、また価格においても、競争力がある状態で参入できるということで非常に期待しています。

一昨日の発表はMOU締結の発表で、今後より具体的な詳細が決まりましたら、そのタイミングで発表させていただきます。

2022年2月期 業績予想

決算の状況についてご説明します。業績予想ですが、2022年2月期は売上高が93億円、経常利益が4億7,100万円というガイダンスを出しています。

2022年2月期 Q1 実績

第1四半期の実績はご覧のとおり、売上高が25億900万円、経常利益が1億6,800万円でした。売上高は前年同期比130.5パーセント、経常利益は前年同期比219.7パーセントと非常に伸長しています。

ちょうど1年前は緊急事態宣言が発出されたばかりで、第1四半期、第2四半期は我々も非常に苦労しましたし、お客さまも「IT投資に本当に踏み込んでよいのかわからない」という状況だったと思いますが、そのような状況から脱却していることが、この数字から見てとれるのではないかと思います。

売上高の推移

売上高の推移です。ご覧のとおり、93億円の予想に対して進捗率は26.9パーセントとなっています。私どもはストックビジネスが大半のため、売上高の進捗率は25パーセントを切ることが過去の通例だったのですが、26.9パーセントと非常に順調に進捗している状況です。

利益額・利益率の推移

利益額と利益率の推移です。どちらも順調に回復していることが見てとれるのではないかと思います。

2022年2月期 Q1 製品・サービス区分別売上高

第1四半期の製品・サービス別の売上高のシェアです。ご覧のとおり、リセールが前年同期比130パーセント超となっており、順調に成長していることが見てとれるのではないかと思います。

製品・サービス区分別の四半期ごと売上高の推移

製品・サービス別の売上高を四半期ごとにカットしたものです。以前は、第1四半期は第4四半期に比べ、どうしても数字が少し控えめになる傾向が続いていたのですが、この第1四半期については第4四半期から回復基調が見てとれるという流れもあり、順調に第1四半期を終えられたのではないかと思います。

参考)リセール:為替レートの推移

今回の第1四半期で、リセールの売上高が非常に順調だった理由の1つには、為替レートの影響もあります。前期から一転して、円安が続いている状況で、こちらも売上高の増加に影響しています。

売上高の増減に伴い、仕入れも同じレートで増減するため、利益への影響は非常に軽微ですが、売上高はこの為替レートの影響を受けるということを示すチャートです。

リセール:AWS利用料、リザーブドインスタンス・Saving Plans

リセールの中身ですが、スライドの棒グラフの薄い黄色の部分が標準的な利用料です。濃い黄色の部分が「RI」すなわち「リザーブドインスタンス」と、「SPs」すなわち「Saving Plans」と呼ばれる、オプションで購入された分となっています。

このオプションは割引オプションとなっており、お客さまがこれを購入することによって向こう12ヶ月、もしくは36ヶ月分の通常のAWS利用料が安くなるというものです。このようなオプションを購入された場合に、濃い黄色の部分に反映されます。ご覧のとおり、薄い黄色で示す通常のAWS利用料が順調に増加しています。

リセール:AWSアカウント数・ARPUの推移

リセールのアカウント数とARPUの推移です。アカウント数は順調に伸びています。単価についても今まで順調に伸びてきていたのですが、昨年の第4四半期に非常にたくさんのお客さまがリザーブドインスタンスやSaving Plansという割引オプションを購入されました。

割引オプションを購入されると、向こう数ヶ月のAWS利用料が割安になるため、結果として単価が若干下がります。ただし、これはお客さまがご自身で選択して割引を享受した結果でもあるため、我々としては何ら問題ない傾向であると考えています。

クラウドインテグレーション:各指標の推移

クラウドインテグレーションの指標の推移です。第1四半期は、昨年の第4四半期に比べて若干プロジェクト数が減っているのですが、足元の状況を鑑みると回復基調は継続しているため、このまま順調に進捗していくのではないかと見ています。

ストックビジネスの比率推移

ストックビジネスの比率の推移です。ご覧のとおり、95パーセントという非常に高いストック比率を維持しており、今後もこの傾向は継続するのではないかと考えています。

ライフタイムバリュー

ストックビジネスの比率がどのような影響を持つかを表したのがスライドのチャートです。こちらは「ライフタイムバリュー」といって、各年度にご契約くださったお客さまが、それぞれの年にどのくらいお支払いくださっているかを示すものです。

ご覧のとおり、過去からご契約のお客さまは、私どもへのお支払いを少しずつ増やしてくださっている状況が継続しています。この傾向が続く限り、私どもは健全な成長を継続できるのではないかと考えています。

人員数推移

人員数の推移です。2022年2月期は33名の採用を予定しています。現在の進捗率は39パーセントで、まだまだしっかり採用していかなければいけない状況です。みなさまもご存知のとおり、エンジニアは非常に枯渇感が強く、採用競争が厳しい環境にありますが、しっかり採用して事業成長のスピードを落とさないようにしていきたいと考えています。

2022年2月期Q1 営業利益の増減要因分析

このページ以降は、営業利益の増減の要因分析やB/S等の細かい資料が続いています。細かい数字が必要な方は、当社のホームページから資料をダウンロードしていただき、分析に用いていただければと思います。

成長戦略:大規模マイグレーション(移行)プロジェクトの獲得

今後の成長戦略についてご説明します。何度もお話ししているとおり、大規模なマイグレーションプロジェクトの獲得が、私どもの第一のターゲットです。

昨年はコロナショックで非常に大型の案件がスリップしたり、お客さまもIT投資を手控えたりということがあり、我々も苦労しました。しかし、昨年の説明会でもお話ししたとおり、コンピュータは野菜のようなもので、放っておくとどうしても腐ってしまいます。つまり、新しいものに切り替えていかないといけないということです。

昨年、みなさまがIT投資を手控えた分、今年はその需要が減るのではなく、今期以降にスライドしていると見るのが適当かと思います。

その移行先ですが、このような状況のため、オンプレミス、すなわち自分たちでコンピュータを抱えるのではなく、クラウドの活用になると思います。まず社員がテレワーク、リモートワークを行いやすい環境にして、さらにその先でお客さまともつながっていくことを実現するということで、多くのお客さまが「クラウドを使わざるを得ない状況」に直面していると理解しています。

このようなお客さまのニーズをしっかりと捉え、大手企業の大規模なクラウド移行や、金融機関のクラウド移行などのプロジェクトをしっかり獲得していきたいと考えています。

成長戦略:New Normalな働き方の実現支援

2つ目がNew Normalな働き方の実現の支援です。昨年もご紹介しましたが、NTTスマイルエナジーさま、横河電機さまといったお客さまが、数百台から数千台という単位でテレワーク、リモートワークを安全に行うためのソリューションを、AWSのクラウド上で展開しています。

現在も緊急事態宣言が継続中ですが、今後もテレワーク、リモートワークを安全に行いたいというニーズを、Amazonのクラウドを使ってきっちりカバーしていきたいと考えています。

成長戦略:クラウドを活用した新しいサービスの提供

3つ目が、クラウドを活用した新しいサービスの提供で、特にコールセンター関連のサービスです。昨年の緊急事態宣言中、多くのみなさまが「どのようなところで買い物をしたらよいのか」「本当に外に出てよいのかわからない」という状況の中、生協のパルシステムさまに非常に多くの注文が殺到するということが起きました。

ところが、パルシステムさまは電話で注文を受けていたため、コールセンターにたくさんの電話がかかってきても、コールセンターが3密になってしまうこともあり、人員を急に増やせず対応が追いつかない事態が起きていました。

このような環境に対し、我々は「Amazon Connect」というAWSのサービスを用い、自動応答できるコールセンターの仕組みを構築しました。激増する注文をAWSクラウドを使うことできっちりと処理し、かつコールセンターの人員を増やさないということも実現できています。こちらのシステムは、パルシステムさまから「救世主」と呼ばれていると聞いています。

このようにAWSクラウドの適用領域は、今やコールセンターの領域にも及んでいます。クラウドを使った新しいサービスを提供していくことによって、クラウドの適用領域を広げ、我々のビジネスをより拡大していきたいと考えています。

なお、Google Cloud Platformの戦略については、一昨日発表した後発事象であること、それから、まだ正式な契約に至っていないことから、今回の成長戦略からは外しています。

しかし当然、正式契約後は大きな成長戦略の1つの柱になると考えていますので、第2四半期の説明の時に、またあらためてご紹介したいと思います。私からの説明は以上となります。

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