「お金のこと」は、親しい友人との間でも、そうそう話題には出せないものです。
お子さんの教育費や住宅ローンといった大きな出費を抱える働く世代の皆さんの中には、日頃の家計管理や資産形成に積極的に取り組まれているご家庭も多いでしょう。
ときには、通帳とにらめっこしながら「自分は同世代の平均と比べると、どの程度なんだろう?」と気になることがあるかもしれません。
そこで今回は、「働く世帯」(勤労者世帯)の貯蓄と負債について、総務省統計局の資料を参考にみていきます。
働く世帯の貯蓄はどれくらいか?
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、二人以上世帯の貯蓄現在高は1791万円(貯蓄保有世帯の中央値:1061万円)で、負債現在高は572万円(負債保有世帯の平均値:1486万円、負債保有世帯の中央値:1225万円)となっています。
では、勤労者世帯の貯蓄と負債はどれくらいなのでしょうか。同調査結果より見ていきます。
二人以上世帯のうち勤労者世帯の貯蓄・負債額
貯蓄現在高:1378万円
負債現在高:851万円
貯蓄保有世帯の中央値は826万円、負債額については、負債保有世帯の平均値は1569万円、負債保有世帯の中央値は1466万円となっています。二人以上世帯全体と比較したとき、貯蓄額は低く、負債額は高いですね。また貯蓄額の中央値については、1000万円を下回っています。
世帯主の平均年齢を見てみると、勤労者世帯は49.7歳、一方二人以上世帯は59.5歳。勤労者世帯は住居費や子育て費用といったコアな出費が家計を圧迫している世帯が多く、老後資金の準備についてはまだ少し先の話、という世帯が多いことが推測されそうですね。
なお、勤労者世帯の年間収入の平均値は740万円となっています。平均値で考える純貯蓄額は527万円です。
次に、この貯蓄の内訳についてみてみましょう。
勤労者世帯の「貯蓄の種類」
貯蓄額…1378万円
金融機関…1330万円
- 通貨性預貯金:472万円(34.3%)
- 定期性預貯金:393万円(28.5%)
- 生命保険など:305万円(22.1%)
- 有価証券:159万円(11.5%)
金融機関外…48万円(3.5%)
となっています。定期性預貯金がもっとも多く、次いで通貨性預貯金となっています。
※四捨五入の関係で、各項目の割合の合計は100%ではありません。