現役世代の私たちの多くが、いわゆる「人生100年時代」に老後を生きることになりそうです。

健康面、そしてお金の面でも、祖父母や親たちの世代よりも丁寧な備えが必要となることは間違いないでしょう。

20代・30代といった若い世代のみなさんには、まだまだ先の話ですのでピンとこないかもしれませんね。

しかし50代前後にもなると、親族の老いや身近な人の定年退職などを通じ、自分自身の老後の暮らしをイメージし始める人が増えるでしょう。

リタイヤ前にどのくらい貯蓄ができているかで、年金生活のゆとり部分は変わってきそうですね。そこで今回は、現役世代のラストスパート期ともいえる、50代世帯の貯蓄事情にフォーカスしていきます。

50代のみんなの「平均貯蓄額」は?

総務省統計局が2021年5月18日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、二人以上世帯の貯蓄現在高の平均値は1791万円で、前年より36万円増えています。

また、負債現在高の平均値は572万円で、こちらは前年より2万円増加しています。

では、同資料より「50代世帯」に絞って、貯蓄と負債のようすをみていきましょう

50代「貯蓄と負債」

貯蓄現在高:1703万円
負債現在高:699万円(うち、住宅・土地のための負債:620万円

50代の貯蓄額は、全体の平均値より88万円ほど少ないようです。貯蓄から負債を差し引いた「純貯蓄額」は1004万円です。また、50代の負債の大部分が住宅ローンであることは確かといえそうですね。

50歳代「貯蓄の内訳」

引き続き同調査より、50代世帯の貯蓄の内訳を見ていきます。

金融機関…1630万円

  • 通貨性預貯金:522万円
  • 定期性預貯金:489万円
  • 生命保険など:398万円
  • 有価証券:221万円

金融機関外…73万円

50代の貯蓄内訳の約6割が、銀行などの預貯金が占めています。

「日本人は預貯金好きで投資を好まない」などとしばしばいわれます。この内訳からも、「預貯金(=基本的に元本保証がある)」に信頼を寄せる人が多いことなども推測できそうです。

ここまでご紹介した数値は、あくまでも「平均値」です。50代世帯の貯蓄事情をさらに深掘りするために、次で「貯蓄額分布」を見ていきます。