健康で長生きできれば良いのですが、病気や認知症、介護など、長生きすることで生じる不安もあります。そして還暦を迎える時期は、体の不調や体力の衰えを感じることも少なくなく、より体への不安を感じてしまうのかもしれません。
昨年の調査と比べて割合の増加が目に付く項目は以下の通りです。
- 「収入の減少」:2020年41.4%から2021年53.2%へ、11.8%上昇
- 「年金制度の崩壊」:2020年37.2%から46.1%へ、8.9%上昇
60歳以降、再雇用制度などで仕事を続ける場合も、収入は大幅にダウンするケースが大多数です。そこにきて、コロナ禍による経済悪化で先々の収入の不安が高まるのは言うまでもありませんから、老後の頼みの綱である年金を心配する気持ちは納得できるものです。
おわりに
悠々自適なセカンドライフに憧れるものの、現実はそれほど甘くはなく、収入や年金といったお金の不安を抱えている還暦人は少なくないようです。
今年4月から改正高齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就業機会を確保することが企業の努力義務になりました。ただ、60歳以降も働いて老後の生活費を稼ぐという選択肢が広がりつつあるとはいえ、希望する収入を得ることはそう簡単ではありません。
老後は年金と貯蓄で悠々自適に暮らせるというのは、今の時代には高嶺の花なのかもしれませんね。
参考資料
- 2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査(PGF生命)
中野 令子