人生を支える「お金」のスキル
40歳代・50歳代世帯の貯蓄事情を比べてみました。ただし、今回ご紹介した数値はあくまでも平均額です。
極論からいうと、収入や家族構成は世帯によって違いますから、単純に貯蓄額だけを比較して「貯めている」「貯めていない」と判断することはできないでしょう。
貯蓄から負債を差し引いた「純貯蓄額」も、当然ひとそれぞれ。早期リタイヤによる退職金受け取りや、親族からの贈与・相続で貯蓄額が増えているケースも一定数あることは確かでしょう。
貯蓄の進捗状況は「持っている額」より、むしろ「限られた収入から、どの程度貯蓄に回せているか」という点からも評価されてしかるべきである、と筆者は感じます。
若いうちに身につけた、家計管理や貯蓄のスキルは、その後の人生を支える一生モノの財産となるでしょう。
働き盛りの世代の場合、目前の出費のやりくりで手一杯という時期もあるはずです。しかし、50歳を過ぎたあたりから、先輩たちの引退や、肉親の老いといった光景に接し、自分自身の「将来」について考える機会が増えてきます。
「人生100年時代」に老後を生きる私たちに求められているのは、健康寿命とともに「資産の寿命」を伸ばす努力かもしれませんね。
その最初の一つが、「お金の置き場所」を工夫することといえるでしょう。手持ちの資金を、預貯金や保険商品、そして資産運用にバランス良く「配置」していくことは、お金を守りながら増やすことに繋がります。
お金のプロのアドバイスなどの活用も検討しながら、ご自身に合う「お金の育て方」を見つけていきましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。