結果を求める親の焦りは逆効果に

親が子どもの国語の成績が低下していることに気がついた時点で、実は大きな差が開いています。そして、国語は全ての教科の土台であり、他の教科の成績を上げるにも国語力が必要なため、傷口がこれ以上開く前にと塾や家庭教師の門を叩く家庭も少なくありません。

ただし、焦るあまりに親の要求が大きくなるのは問題です。何としてでも最短ルートで点数アップさせて欲しいと願う気持ちも分かりますが、「とにかく早く結果を」と即効性を追い求める家庭は塾との付き合いが短くなる傾向があります。

しかし、転塾を繰り返したり家庭教師をコロコロ変えたりしていると、子どもがじっくり腰を据えて勉強する環境を整えることができません。とにかく国語力の底上げを図るには、やるべきことがたくさんあります。そして結果が出るには時間がかかります。

塾や家庭教師を決めたのなら、子どもが落ち着いて学習に臨める環境の整備を心がけ、冷静になって成績の推移を見守る心のゆとりも忘れてはいけないでしょう。

国語の成績アップには時間がかかることを理解する

読解力を上げるには、漢字が正確に読め・書ける、そして語彙力をつけるという下地作りが欠かせません。そうした基盤整備に時間がかかるのですが、早期に結果を求める親はそこを理解するのが難しいようです。

そして「なぜ点数が上がらないんだ」と親から責められると、子どもは焦り、悩み、国語に対する意欲が湧いてこなくなります。必要以上に苦手意識を持ってしまうこともあるので、子どもに対する言動には気をつけたいものです。

語彙力というのは家庭での日頃の会話や読書習慣によって個人差が出やすく、親の方からの働きかけなど、意識して増やす努力も必要となってきます。まさに地道な作業ですが、それが王道にして国語力をアップする最短ルートだと言えるでしょう。

中山 まち子