中学2年生で小学3・4年生の問題からやり直し

国語が苦手な子の成績を上げるには、まずどのあたりの漢字や語句でつまづいているのか把握する必要があります。たとえば、中学2年生だけれどもその学年の問題は全てお手上げ…という場合は学年をさかのぼって「どの学年の問題なら自力で解けるか」を探るといった具合です。

筆者が塾で仕事をしている時に出会った、国語が極端に苦手な子には共通点がありました。それが「小学3年生の漢字から正確に読み書きできなくなる」です。そしてほぼ例外なく、他の教科でも教科書やテスト問題の文章がよく理解できていないことに親が気がつき、あわてて子どもを塾に連れて来るのです。

こうした子たちは、正しい熟語が書けず、当てずっぽうに書く。国語も含め、記述問題では1、2年生で習った漢字以外はほぼ平仮名で答えを書く、というのが現実でした。

ある中学2年生の場合、小学校高学年の問題では語彙力が足りずお手上げ状態だったため、やはり小学3・4年生向けの問題からやり直すことに。

しかし、中学2年生で小学3・4年生の問題を解いていては受験に間に合わないのでスピードアップしたいのに、本人はダラダラするばかりで山積みの課題を前にしてやる気ゼロ状態。こうした地道な作業が苦手な子どもは少なくありませんでした。

小学生時代に漢字や語句につまづいた子が、出来る子や平均的な同級生との差を縮めるために自発的に勉強したり必死になることは稀なのです。そのため、国語力の低下を防ぐために必要なのは、まずはその発端となる漢字力の定着をしっかり確認すること。

そうしないと、気がついた時には挽回するのに途方もない努力が必要となるということもあります。「まだ小学校低学年だから」と、漢字テストや国語のテスト結果を軽く見るのは避けたいところです。