リスクその1:市場価値が下がる

会社員として忙しく働いている時には気づきにくいものですが、ひとたび会社員という立場を手放して仕事にブランク期間が生じると、転職市場での市場価値が落ちていきます。

会社を辞める時に、次の転職先を確保してから辞めたほうがいいというのは、そのためです。

大学を卒業して、有名企業での勤務歴を持つにも関わらず、しばらく家事や子育てに専念した女性が時給1000円前後のパートタイムとして働くことになるのも、このブランクによる市場価値の低下が原因です。

「会社員は大変だから、時間の融通が利くパートとして働きたい」とか「扶養の範囲内で働いた方が税金や社会保険料の面で得」という考え方もありますが、パートタイムで月額8万円を稼ぐためには、時給1000円だと、1日5時間週4日勤務する必要があります。

正社員との給与差が大きい割に、実はそんなに自由時間が多いわけではありません。

リスクその2:自分の立場が下がる

「外で稼ぐ人が偉い」「家事労働は立場が低い」などといった考えに、筆者は賛同することはできませんが、それでも自分でお金を稼ぎだす手段を持っていないということは、時に自分の立場を弱めます。

自分の収入を持たないことに自信を無くしてしまったり、何気ない他人の一言に傷ついてしまうなんていうことも。

外で稼ぐ人、それを支える人という家庭内役割分担でうまくいく夫婦もあります。しかし、「ともに稼ぎ、ともに支えあう夫婦」の方が対等な関係を築けると思うなら、かんたんに稼ぐ立場を手放さない方がいいでしょう。

リスクその3:経済的な自由が失われる

「たまには旅行に出かけたい」「たまには美味しいレストランで外食を楽しみたい」

やりたいことをやりたいときに楽しむためには、経済的な余裕が必要です。お金がすべてではありませんが、家庭内の稼ぎ手が1人の家庭よりも、夫婦で稼いで支えあう家庭の方が、家族全員が自由にやりたいことができる可能性が広がります。

目先のことだけでなく、将来にも目を向けてキャリア選択をしていきましょう。