日本人の老後、諸外国との違いは「労働所得と資本所得」?

先ほどの金融庁資料「人生100年時代における資産形成」によると、今後の日本が抱える課題として下記3つが挙げられています。

  • 長寿化
  • 現役世代の収入・貯蓄の減少(特に30代・40代)
  • 金融資産額が少ない高齢者世帯の増加

バブル崩壊以降、「現役世代の収入・貯蓄が減少→金融資産が少ないまま老後に突入→長寿化が年金生活に追い打ちをかけている」という構図だと言えそうです。

とくに、金融資産が少ない高齢者世帯の増加は顕著で、450万円未満の世帯の比率が増加。金融資産3000万円以上の世帯との二極化が進んでいます。

金融資産3000万円以上の世帯の割合は1994年~2014年の20年間で大きく変わらないものの、450万円未満の世帯は同じ20年のうちに右肩上がりに増加しています。

そんな中で私たちにできる対策は何かというと、「運用リターンで資産の伸びを大きくすること」です。

1998年からの20年の家計金融資産をみると、アメリカは2.7倍、イギリスは2.3倍に増えているのに対し、日本は1.4倍にしか増えていません。

そもそもの貯蓄が減少していることもありますが、日本では預貯金でお金を貯めている割合が高いため、投資信託を中心に現役時代から長期間資産運用をしている諸外国と大きな差が生まれているのです。

その結果が、年金生活に入る年齢になったとき、「働き続けなくてはいけない」人が多い日本の現状になっていると言えます。