人生100年時代といわれる今日。老後の生活を支えるのが、年金です。

会社員や公務員の方が対象の厚生年金は、現役中の収入が高いほど老後に受け取る年金額も多くなる傾向にあります。

しかし、年金不安が広がる反面、「現役中にバリバリ働こう!」と考える人は減っているようです。

内閣府「平成30年版 子供・若者白書 特集 就労等に関する若者の意識」によると、「仕事よりも家庭・私生活を優先する」と答えた割合の変化は下記のとおりでした。

<男性>

平成23年度:47.3% 平成29年度:58.3%

<女性>

平成23年度:58.6% 平成29年度:69.4%

平成29年度の調査では男性・女性ともに半数以上の人が私生活を優先したいと答えています。

どちらを優先するかに正解はありませんが、「年金不安」と「いまの私生活」のシーソーゲームで悩む方が増えているのかもしれません。

そこで、男女別の厚生年金受給額と、老後の私生活に視点を置いたお話しをします。

日本人は勤勉?諸外国よりも働き続ける日本人

「日本人は勤勉だ」と言われてきている日本の高齢者の就業率は、諸外国と比べて高いです。

金融庁「人生100年時代における資産形成」によると、65~69歳の年金受給者にあたる年齢で仕事を続けている割合は以下のとおりでした。

  • 日本:男性52.9%、女性33.4%
  • アメリカ:男性35.5%、女性27.0%
  • イギリス:男性25.7%、女性16.6%
  • ドイツ:男性19.4%、女性11.9%
  • フランス:男性8.0%、女性4.9%

日本の就業理由として「生活の糧を得るため」と回答している割合は男性で56.0%、女性は39.5%(※複数回答可)です。

日本人が「勤勉」であるかさておき、「年金収入+労働収入」を必要としている人が多数いることがわかります。