みなさんは「小4の壁」や「10歳(9歳)の壁」という言葉を耳にしたことはありますか? 最近こうしたフレーズを含んだタイトルの本が多数出版されているのは、それだけニーズや関心が高いことの証なのでしょう。
小学4年生になると、学校で学ぶ内容が抽象化していきます。算数や国語も難易度が上がってくるため、「勉強が難しい」「勉強が苦手」と感じる子も徐々に増えてきます。また、少しずつ思春期への階段を上がり始めるのもこの頃からです。
学びの難易度が高くなり始める時期
「壁」と聞くとマイナスなイメージの方が強いですが、子どもが大人へと近づく転換期にあたり、精神面の変化も見られる「大きく成長する年頃」でもあります。
自分と他者との違いに気がつき劣等感を感じる。なにかと小言を言う親への反発…。自我が芽生え、何でも素直に言うことを聞いていた子ども時代から少しずつ脱皮していきます。
親からすると、反抗的な態度になったり言葉数が少なくなってくると気落ちしてしまいますが、子どもの成長を考えれば自然なことです。筆者の子どもたちも、10歳前後には学校でのことを話をする回数が以前より減ってきたり、「うるさいな」という言葉も増えてきました。
こうした変化を「あの頃はかわいかった」と嘆き悲しむのではなく、「これも成長の証」と前向きに捉えるべきでしょう。
しかし、教育業界で「小4の壁」が大きく取り上げられるのも全く意味がないわけではありません。前述のように10歳前後が学力の分岐点になりやすく、その意味では親として意識しておく必要のある言葉です。