小学4年生以上になると小学1年生から3年生で学んだ基礎を土台とし、さらに踏み込んだ単元を学んでいくため、学習習慣の有無によって学力差が出てしまいます。算数を例にすると、図形問題や分数に小数、概(がい)数などパッと見ただけでは解けない単元を習います。

また、小学3年生から学ぶ理科と社会も、4年生になると”勉強的”な要素がより強まります。理科と社会は国語や算数に比べて家庭学習が後手に回ってしまいがちなため、挽回するのに苦労するので注意が必要です。

さらに、新学習指導要領により、教科に関わらず自分の言葉で説明する機会も多くなっています。あらゆる教科で文章を使って上手く説明できるかどうかを見る傾向が強まっているのです。

学力の固定化が始まる

ちょうど10歳前後は、自我が芽生えて自分と他者との違いを意識し始めるようになる年頃です。そのため、不得意なことに対して劣等感を抱きやすくなり、結果として勉強への意欲が湧きにくくなります。

逆に、これまでも家庭学習にしっかり取り組んでいた子は、成績を伸ばし自分の力を学校で発揮することで、さらにやる気が出る好循環が起きます。発表する機会が親世代の頃に比べて増えているため、「勉強している子」の活躍の場が多くなっているからです。

しかし、今まで勉強がおざなりになりがちだった子にとっては、厳しい現実が待ち構えています。ちょっと勉強すれば成績が上がるというわけにはいかなくなり、何もしなければ小学4年生の成績順はそのまま固定されてしまいます。

「小学生の頃は伸び伸びと」と思っていたら、周りから取り残されてしまっていたということもありえます。特に今は地方でも公立の中高一貫校があるので、中学受験をする小学生は通塾をし、大都市圏の子どもと同じようなカリキュラムで学んでいます。