2019年に金融庁のレポートに端を発した「老後2000万円問題」が、大きな話題となりました。

これをきっかけに、老後に向けたマネープランの見直しをされたご家庭も多いことでしょう。

会社員の場合、定年退職金があればクリアできるかもしれない、と期待されている方も多いはずです。

さて、みなさんは、今のお勤め先の退職金を把握していらっしゃるでしょうか。今回は、会社員の退職金事情についてのお話です。

「退職金額」を左右するものって?

さいしょに、日本経済団体連合会が2年ごとに実施している「退職金・年金に関する実態調査結果」(2018年9月度)から、学歴別の標準者退職金(学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者を対象に算出)をご紹介します。

標準者退職金

※退職一時金のみ、退職一時金と年金併用、退職年金のみの場合の額を合算し、単純平均したもの。また、各項目で集計企業数が異なります。

(出典)日本経済団体連合会「退職金・年金に関する実態調査結果」(2018年9月度)より編集部作成

標準者退職金

大学卒(総合職:勤続年数38年)…2255万8000円
高校卒(総合職:勤続年数42年)…2037万7000円
高校卒(生産・現業:勤続年数42年)…1817万2000円

いわゆる「老後2000万円問題」をクリアしているのは総合職ですね。ただしこの金額は、ほぼ転職なしで順調に昇進した場合の金額である、という点を考慮しておく必要がありそうです。

次では、退職金の金額と「勤続年数」の関係にフォーカスしていきます。