筆者の不勉強のため、米国の小売業の実店舗の現場で省人化がどの程度進んでいるのかはわかりませんが、雇用が改善する中、労働コストの上昇を回避するため省人化投資が進むのは自然な流れと言えるでしょう。
業界全体で省人化に進むとすれば、アマゾンの強みはレジの効率化よりも、IDに紐付く購買履歴にあるはずです。ここをうまく活用できればアマゾンの実店舗事業はうまくいきそうな気がします。
しかし、本当にアマゾンが手に負えなくなる時とは、個人個人の購買履歴に基づいてモノづくりの領域に入っていくことでしょう。アマゾンでは既に一部の商品でSPA化が試みられていますが、まだ発展途上と言えそうです。しかし、いずれ小売から製造小売りに移行する時が来ると思います。
その時には本当に他社が手に負えないほど強力な事業になっているのではないでしょうか。
LIMO編集部
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LIMO編集部は、経済や金融、資産運用等をテーマとし、金融機関勤務経験者の編集者が中心となり、情報発信を行っています。またメディア経験者の編集者がキャリア、トラベル、SDGs、ショッピング、SNSなどについて話題となっているニュースの背景を解説しています。当編集部はファンドマネージャーや証券アナリスト、証券会社・メガバンク・信託銀行にて資産運用アドバイザー、調査会社アナリスト、ファッション誌編集長、地方自治体職員等の経験者で構成されています。編集スタッフの金融機関勤務経験年数は延べ49年(589か月)で、メンバーが勤務していた金融機関は、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、日興証券、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行、日本生命、フィデリティ投信などがある。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、第一種外務員(証券外務員一種)、FP2級、AFP等の資格保有者が複数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。株式会社モニクルリサーチが運営(最新更新日:2024年9月30日)。