60代・二人以上世帯の金融資産保有額分布
(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:18.3%
- 100万円未満:3.5%
- 100~200万未満:4.0%
- 200~300万円未満:4.0%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:4.0%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:7.5%
- 1000~1500万円未満:7.5%
- 1500~2000万円未満:6.3%
- 2000~3000万円未満:13.3%
- 3000万円以上:19.6%
- 無回答:3.3%
60代・二人以上世帯のうち、2000万円以上の金融資産を保有している世帯の割合は32.9%でした。一方で金融資産非保有世帯は18.3%、300万円未満世帯の合計は29.8%となっており、世帯間の格差が大きくなっている点は看過できないといえるでしょう。
老後資金、本当はいくら必要か
ここまでのデータから、60代の二人以上世帯で、貯蓄2000万円を保有している割合は約3割であることが分かりました。
そこでふと気になるのが、「2000万円の貯蓄があれば、果たして老後は安泰なのか?」ということでしょう。
そもそも、この「2000万円」という金額はどのように計算されているのでしょうか。そこからお話ししていきます。
金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」では、モデルケースとなる高齢夫婦のひと月の収支について、以下のような試算がなされています。
モデルケース高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上を想定)
- 月々の実収入(主に年金):20万9198円
- 月々の実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の赤字:約5万5000円
老後必要額=5万5000×12か月×30年(老後30年と仮定)=1980万円(約2000万円)
つまり、この夫婦の場合、年金収入だけではトータルで「2000万円」が不足してしまう、という計算になります。これが「老後2000万円問題」の根拠です。
しかし、この「2000万円」の内訳には落とし穴ともいえる注意点がいくつかあります。次で具体的に触れていきましょう。