運用方法のポイント
ひとくちに「運用」といっても様々なスタイルやコツがありますが、今回は重要なポイントを3つに絞ってご説明してまいります。
①「複利」
1つ目は、「複利」です。
複利は、単利の反対語で、運用から得られるリターンを手元に受取らずに再度運用に回すことで、運用元本を雪だるま式に大きくする方法です。
②「長期積立投資」
2つ目は、「長期積立投資」です。
「長期」については先ほどのお話でも触れました。過去の実績上、運用期間は長ければ長い方ほど、リターンが大きくなり、リスクの軽減につながります。
「積立投資」は一度に大きな資金を投資に回すのではなく、例えば毎月決まったタイミングでコツコツ積立ていく方法です。投資のタイミングを分散させることで、高い価格で買うことを防いでくれる効果があります。
運用においては、この両方を行うことが大切です。
③「保障」
3つ目は「保障」です。
複利で長期積立投資を行うときの最大のリスクは、不測の事態により途中で運用を継続できなくなることでしょう。
具体的には、ケガや病気で収入が大幅にダウンしたり、仕事を続けられない状態になった場合などが考えられます。
こうした場合に備え、就業不能となった場合や、要介護状態になった場合などに対応する、最低限の保障を取りながら運用する視点が大事になります。
これが運用をする際の大事な3つのポイントであり、運用をご検討される際にはぜひ思い出していただけると幸いです。
お金の専門家のアドバイスも聞きながら……
今回見てきたデータによると、70代以上の2割近くの世帯が「貯蓄ゼロ」でした。
長寿時代のいま、70代といえばようやく本格的なセカンドライフに突入したあたりの時期でしょう。
「貯蓄ゼロ」の状態で70代を迎えることは避けたいものです。老後を見据えたお金の準備は、早めの対策がカギを握ります。
今回ご紹介した資産運用の3つのポイントをおさえ、ご自身に合った金融商品、そして投資スタイルを探していかれることをお勧めします。
お金の専門家の客観的なアドバイスなども参考にしながら、ゆとりある老後に向けたマネープランを作りたいものですね。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料厚生労働省「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」
- 公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 鶴田綾(LIMO)「70代以上「案外多い?無貯蓄世帯」老後破産をどう避ける」
- マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基