年金の「繰下げ受給」

「繰下げ受給」は、老齢年金を遅く受け取り始める代わりに、遅らせた月数に応じて受給額が増額される制度です。

老齢基礎年金・老齢厚生年金を繰下げ受給した場合、「繰下げた月数」×0.7%が増額となります。

繰下げ受給の増額率についても、グラフでイメージをつかんでみましょう。

(出典)日本年金機構「年金の繰下げ受給」を参考に編集部作成

2021年6月現在、最長70歳まで受給開始時期を遅らせることが可能です。さらに2022年4月以降は、この上限年齢が75歳にまで引き上げられることが決まっています。

仮に75歳まで年金受給を遅らせた場合、増額率はなんと84%まであがります。そしてこの増額率は生涯変わりません。

繰下げ受給のメリットは言うまでもなく、この「年金が増える」という点です。

ただし、先述の繰上げ受給同様、いったん申請後の変更や取り消しができません。

よって、繰下げ受給の利用を検討される場合は、ご自身の健康状態、そして年金受給スタートまでの生活費が確保されているかなどを考慮しながら、慎重に判断する必要があるでしょう。