新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が私たちの生活を脅かし始め、気づけばすでに1年以上が経ちました。

マスク着用やテレワークといった、「新しい生活様式」が、今となれば当たり前の光景となってきているように感じます。

しかし外出自粛や飲食店の休業など、生活の中での余暇の部分の制限については、息苦しさを感じている人が多くなってきているかもしれませんね。

このコロナ禍が収束したら…と、海外旅行や友人との食事などやりたいことをリストアップしている人はおそらく私だけではないと思います。

実は私の「やりたいことリスト」は別バージョンも存在しています。

それは定年退職した後の「老後にやりたいことリスト」です。

例えば、田舎へ移住する、毎週末はゴルフに行く、超大型犬を飼う……といったことを夢に描いていますが、皆さんはいかがでしょうか。

そんな「老後にやりたいことリスト」を達成するためにも、やはり気になるのは老後の資産状況ではないでしょうか。

長年にわたり生命保険会社に勤め、多くの人の老後のお金の相談を受けてきた経験もふまえ、今回は定年退職後の収入となる国民年金と厚生年金の受給額についてお話ししていきます。

国民年金はいくら受け取れるか

まず皆さんが一般的に国民年金と呼んでいる「老齢基礎年金」から見ていきましょう。

厚生労働省年金局が公表する「令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、男女別の受給権者数は以下のようになります。

国民年金 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数

〈男子〉平均年金月額:5万8866円

  • ~1万円未満:1万2693人
  • 1万円~2万円未満:6万803人
  • 2万円~3万円未満:22万1983人
  • 3万円~4万円未満:70万6206人
  • 4万円~5万円未満:134万5582人
  • 5万円~6万円未満:312万4529人
  • 6万円~7万円未満:849万4551人
  • 7万円以上:38万1323人

〈女子〉平均年金月額:5万3699円

  • ~1万円未満:6万6247人
  • 1万円~2万円未満:24万4695人
  • 2万円~3万円未満:74万63人
  • 3万円~4万円未満:226万4161人
  • 4万円~5万円未満:336万406人
  • 5万円~6万円未満:454万1337人
  • 6万円~7万円未満:598万7227人
  • 7万円以上:144万306人

国民年金全体の平均年金月額は5万5946円となっており、男女問わず受給金額に大きな差はありませんね。

これは、国民年金が、日本国内に住むすべて20歳から60歳の人を加入対象としており、保険料については定額制(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)をとっていること、また20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額」(78万900円×改定率)が受け取れ、納付期間が足りない場合はその割合を満額から差引く計算方式をとっているためと考えられます。