筆者の経験をお話ししましょう。数年前の冬、地元の山に雪遊びに出かけた時のことです。
わが子と雪合戦をしている30代ぐらいのお父さんの姿が目に入りました。「この寒いのに、元気だなぁ」と思いながら、ふと足元に目をやると……ジャンダル! 驚きで呆然としてしまいました。
そんな私の心中をよそに、多少寒そうにしつつも笑顔満面で子どもとはしゃぐお父さん。「そんなにジャンダルが好きなの?」とつぶやきつつ、筆者はその場を後にしたのでした。
2つある、ジャンダル起源説
人々がまるで何世代にもわたって愛用しているかのような印象さえあるジャンダルですが、初お目見えしたのは、1940~50年代とそう昔ではありません。わずか80年ほど前のことなのに、来歴ははっきりせず、現在2つの説に分かれています。
国内最大の都市、オークランドのビジネスマン、モリス・ヨックさんが旅先の日本で「草履」を見かけ、帰国後に材質をゴムに代え、自宅のガレージで商品の生産を始めたというのが一説。
そしてもう一説が、北島のタラナキ地方出身のジョン・カウィさんが1940年代後半に同様の商品を香港で生産開始したという説です。
ジョンさんの子孫は、モリスさんは輸入を担当したのみだといいます。モリスさんの子孫も負けてはいません。モリスさんは香港のメーカーから製造法を習い、輸入に関する当時の決めごとに沿い、国内で生産したといいます。