ポイント3 非課税期間が「20年間」に限られている
3つ目は、「非課税で投資できる期間が『20年』と限定されている」という点です。
「20年」という年数だけを聞くと「投資期間としては十分な長さなのでは?」と思われる方が多いでしょう。
しかし、投資期間は長期であればあるほどリターンが大きくなり投資成績が安定する傾向が、過去の株式市場の実績からも分かっています。
つみたてNISAで「非課税」のメリットを得るためには、20年の間に利益を出して売却をする必要があります。限られた期間の中で、含み益が大きいタイミングを探らなくてはならないわけです。
運用自体は20年が経過したあとは、引き続き、課税口座に移管して運用が可能ですが、課税口座に移管後の運用益に関しては課税対象となります。
非課税というメリットを享受できなかった場合は、損益通算(※)ができないなど、つみたてNISAを利用せずに投資を行うよりも不利な点が多くなってしまいます。
※「損益通算」…同じ年に複数のファンド、または口座で運用を行っていた場合に、利益が出たものと損失が出たものをまとめて通算すること。これによって、利益額を圧縮でき、最終的に支払う税金を少なくすることができます。
一般の課税口座(特定口座など)では適用されますが、そもそも非課税であるつみたてNISA口座には適用されません。
非課税のメリットは期間限定であること、そして、限られた20年間でいかに上手に利益を出すかポイントとなる点は、ぜひ覚えておきたいところです。
つみたてNISAの「メリット」を活かすために
今回は、つみたてNISAを始めるまえに、ぜひ知っておいていただきたい3つの点についてお話ししてまいりました。
すでに資産運用に取り組んでいらっしゃる方や、詳しく情報をチェックされていらっしゃる方は、すでにご存じだったこともあるかもしれません。
つみたてNISAには、今回お伝えしたような注意点はあるものの、少額からコツコツと投資に取り組んでいきたい方や、投資ビギナーのみなさんにとっては、取り組みやすい制度の一つであるといえそうです。
つみたてNISAのメリットを最大限に活かすためには、お金のプロのアドバイスなどを参考にしながら進められるとよいかもしれません。
参考資料
佐藤 雄基