アップダウンの激しいワタミの業績

ワタミの業績は過去大きなアップダウンを繰り返しています。居酒屋チェーン店として急成長を遂げ、1996年10月に株式公開も果たし、2000年代には急速に店舗を増やして業績を拡大。営業利益のピークは2013年3月期の93億円でした。

また、介護事業など事業領域の拡大も行われましたが、流行り廃りの激しい居酒屋業界での栄光は長くは続かず、2015年3月期には業績が悪化。

当期純利益が▲127億円の赤字となって介護事業を手放し、その売却益を原資に生き残りを図ることを余儀なくされました。つまり、ワタミが▲100億円を超える最終赤字を計上したのは2015年3月期に続き2度目ということになります。

その後、店舗の大幅削減や介護事業の売却などの思い切ったリストラが功を奏し、2019年3月期は10億円を超える営業利益になるまで復活を果たしました。しかし、コロナ禍という居酒屋にとっては未曾有の苦境により、2021年3月再び同社は再び窮地に追い込まれています。

おわりに

ワタミはアフターコロナを見据え、焼き肉店が中心となる業態転換と、テイクアウト需要を見込んだから揚げ店「から揚げの天才」などにより復活を目指します。

立地のよい駅前の居酒屋店をリーズナブルな焼き肉店とする試みが成功し、コロナ禍後の外食店の勝ち組企業として名乗りをあげることになるのでしょうか。大胆な決断を下したワタミの今後の業績の行方が注目されます。

参考資料

以下、すべてワタミ株式会社の発表による。

石井 僚一