居酒屋チェーン運営のワタミは、2020年10月に居酒屋から焼き肉店への業態転換を表明しました。そして迎えた2021年3月期決算は、コロナ禍の中で▲100億円を超える最終赤字を計上することに。
居酒屋を焼き肉店に一気に衣替えするワタミは、コロナの影響が深刻な外食産業の中で経営を立て直すことができるのでしょうか。まずは、これまでの経緯や業績推移を見てみましょう。
「和民」から「焼肉の和民」へ一気に業態転換
新型コロナウイルス問題の発生から既に1年以上が経過する中、居酒屋の経営が厳しくなっています。
東京都などで3度目となった緊急事態宣言下では、多くの自治体で時短に加えアルコール類の提供自粛も要請され、居酒屋という商売自体が成立しない状態にあります。
その中で居酒屋チェーン店を運営するワタミ(7522)は、2021年3月期に▲116億円もの最終赤字を計上しました。その一方で2020年10月、居酒屋「和民」全店をはじめ居酒屋業態の店舗を順次「焼肉の和民」に転換していくと発表するなど、思い切った手を既に打っています。
また▲116億円の最終赤字計上後、日本政策投資銀行が運営するファンドからの120億円の資金調達も発表しました(払い込み予定は6月28日)。この調達により資金面の不安もなくした上で、再出発を目指すというわけです。