【介護費用】
また、この支出の内訳には「介護費用」は含まれていません。

好き好んで要介護状態になる人はいないでしょう。しかし、年を重ねれば、ケガや病気がもとで介護が必要となる可能性は誰にでもあります。

LIFULL介護ホームページ「老人ホームの相場」のデータをもとに、平均入居期間の5年で計算した場合、有料老人ホームで約1900万円、サービス付高齢者向け住宅で約1000万円の費用がかかります。仮に施設入所を検討した場合、かなりまとまった額が必要になりそうです。

さらに、趣味やライフワークのための費用や、お孫さんへのおこづかい、友人とのお付き合いといった「ゆとりの部分」のお金も、ある程度は準備しておきたいものです。

こうした「上乗せ部分」が必要となることが分かると、「貯蓄2000万円があれば老後は安泰だ」ということは、多くの世帯にとってかなり難しいことであるといえるでしょう。

「老後のお金」をどう準備するか

ここまで、60代世帯の貯蓄格差、そして「老後2000万円問題」の根拠についてお話しして参りました。

先に結論を申し上げると、かなり多くの方が、老後資金の準備を本格的に進めていかれる必要があるだろう、ということでしょう。

その解決方法の一つとして、「資産運用」があります。

日本人は資産運用に消極的である、としばしば言われます。とはいえ、超低金利時代の今、銀行等の預貯金だけで資産を増やしていくことはかなり難しいことであるといえます。

資産運用のスタートに二の足を踏む理由として、やはり「リスクが怖いから」「しくみが難しそうだから」という点を挙げる方は多いでしょう。しかし、計画的にコツコツと運用を続けていくことで、資産を効率的に育てていくことも可能です。