VUCA(ブーカ)時代に生き残れない人とは

さて、ここからはVUCAが、どんな文脈で使われ、VUCA時代に生き残れないのは、どのような人なのかを見ていきましょう。

2019年3月に経済産業省が「人材競争力強化のための9つの提言(案)~日本企業の経営競争力強化に向けて~」というレポートを発表しています。

このレポートでは、前提として「日本企業・個人を取り巻く社会・経済環境は大きく変化」したとして、「グローバル化」と「デジタル化」を2つの柱に、“不確実な経済・社会情勢(VUCA)でも競争力を発揮できる柔軟かつスピーディなビジネスを実施できる体制が求められる”というふうにVUCAが使われています。

巻末の参考資料が興味深く、かなり過激なフレーズが並んでいます(お役所の「参考資料」は本音がでますから)。いくつか紹介しましょう。

  • 「メンバーシップ型からジョブ型への移行が必要」
  • 「若手の優秀人材が日本の大企業への就職にもはや魅力を感じていない状況にどう対応するか」
  • 「過度な社内公平性の呪縛。個人間で適性や能力に差が存在することについて、触れたがらない文化」
  • 「組織内のダイバーシティと経営競争力の因果関係について、日本企業の経営者は腹落ちしていないのではないか」

ザックリまとめると“日本型人材”の全否定ということでしょうか。“根回し”も“社内交渉”もハッキリ言ってムダ。「社内公平性の呪縛」や「能力差に触れたがらない文化」に準拠している社員は生き残れないのかもしれません。