50代「純貯蓄額」はプラスorマイナス?
では、50代の「金融資産保有額」から「借入額」を差し引いた「純貯蓄額」を求めていきましょう。
50代の純貯蓄額の平均は、以下の通りです。
1684万円-729万円=955万円(純貯蓄額)
ちなみに、40代の純貯蓄額も同様に計算すると、以下の通りとなります。
1012万円-1325万円=マイナス313万円(純貯蓄額)
40代ではまだマイナスだった純貯蓄額が、50代では一気にプラスに転じています。50代はお金を返す時期というよりは、お金を貯める時期に突入しているといえそうです。
「老後の備え」というと、「いかに貯蓄を増やすか」ということに意識がいきがちです。しかし、貯蓄がいくらあるかだけでなく、負債が残りいくらあるのかにも目を向けなければなりません。
老後に備えるための当面の目標として、まずはこのデータのように純貯蓄額をプラスにすることを目指したいものです。
まだ30代・40代の方は「50歳までに1000万円貯める」というよりは、「50歳までに純貯蓄額をプラスマイナス0円にする」という目標を立てるといいかもしれませんね。
お金の不安も「ゼロ」にしよう
老後に向けて焦りが出始める50代。負債を抱えたまま老後に突入すると、退職金や公的年金を負債の返済に回すことになり、お金の不安は大きくなってしまいます。
老後の備えとして貯蓄の目標を決めるだけでなく、住宅ローンなど負債の返済計画もしっかり見なおすようにしましょう。早いうちから老後を見据えたマネープランを立てることが大切です。
参考記事
石黒 杏樹