そこでぜひ視野に入れておきたいのが、預貯金プラスアルファで老後資金を準備する、という発想です。
50代の「今」始めるべき老後準備のポイント
50代のみなさんの中には、今から老後準備を始めるにあたり、先述の「つみたてNISA」や「iDeCo」といった方法をご検討されている方もいらっしゃるかと思います。
そして、定年退職まで、もしくは年金受給スタートの65歳までに老後資金を準備しておこう、と考えている方が多数派でしょう。
大きなお金を準備する上でたいせつなのは、「長期で」「積立で」投資を行うという視点です。
「50代で“長期”といわれても、もう老後まで10年足らずだよなぁ……」などと感じる方がいらっしゃるのは、ごく自然なことでしょう。
そこで視野に入れていただきたいのが、「老後そのまま、投資を継続する」という選択肢です。「一生涯、運用する」という発想でも良いかもしれません。
長期投資で生きる、「複利のチカラ」
ここで、長期積立投資がどれだけ有効であるかを、金融庁の「資産運用シミュレーション」を使って具体的にお示ししましょう。
例えば月々3万円を年率6%の複利(※)で運用した場合、10年間で約491万円、30年間で約3013万円になります。この差を見れば歴然です。
長期で運用することで、複利のチカラを生かしながら、コツコツとお金を増やしていけると嬉しいですね。
※「複利」とは?:複利とは投資から得られたリターン(利益)を受取らずに再投資して、資産を雪だるま式に増やしていく手法です。
50代、まだまだ人生の「中継地点」
50代で老後のお金の準備を始めようと考えている方は、「長期」という言葉にちょっと抵抗を感じられるかもしれませんね。
とはいえ、「人生100年時代」は私たちの目の前まで来ています。
50代なんてまだ人生の半分。いわば中継地点と考えれば、少し印象が変わるかもしれません。
長い人生をゆったり楽しく過ごすためにも、ぜひ「今から」老後の準備をスタートされてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局 企業年金・個人年金課「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」
- LIFULL介護「老人ホームの費用相場」
- 公益財団法人生命保険文化センター「「生活保障に関する調査」/令和元年度」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 熊谷良子(LIMO)「最後の「貯めどき・稼ぎどき!?」50代みんなの貯蓄額」
- 谷口裕梨(LIMO)「50代の貯蓄額、このままで大丈夫?老後にも資産運用が必要な訳」
- マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基