定年退職までのカウントダウンが始まる人も多い50代は、還暦以降の暮らしやお金について、具体的に考え始める人が増える時期でもあります。

若い世代のみなさんにとっては、老後の話なんてまだまだ遠い先のことに思えるかもしれませんね。でも、仕事や子育てで目まぐるしく過ぎる毎日。気が付いたらあっという間に定年退職までのカウントダウンが始まっていた…という先輩方の声もちらほら聞こえてきます。

「老後資金」の準備は、早めに始めるに越したことはありません。とはいえ、教育費や住宅ローンなど、目前の出費を優先せざるを得ない時期も当然あるでしょう。それらのコアな出費が落ち着いた50代以降、老後資金の貯蓄に本腰を入れる予定、というご家庭も珍しくないはずです。

そこで今回は、いまどきの50代の「お金事情」についてながめていきます。

「50代は稼ぎどき」って本当?

さいしょに、50代の「収入」について触れておきましょう。

国税庁が公表している「民間給与実態統計調査(令和元年分)」(2019年)で、各業種の平均給与を追っていくと、「宿泊業・飲食サービス業」「電気・ガス・熱供給・水道業」以外の「最も高い平均給与」の年代は、すべて「50~54歳」「55~59歳」のいずれかとなっています。

多くの業界において、50代で給与額のピークを迎えていることが窺えます。次では、50代の貯蓄事情についても確認します。