就業不能保険とは、病気やケガなどで働けない状態が長く続いた場合の収入減に備える保険です。特に子どもを持つ母親は、収入が途絶えると生活費や教育費、住宅ローンなどへの支出がままならなくなるので、利用を検討しましょう。
基本的に就業不能保険は、支払対象外期間(60日または180日)を超えて所定の就業不能状態が継続する場合に、保険期間満了まで給付金の支払いが続きます。
言い換えると、働けなくなっても当初の支払対象外期間には支払いがないので、ある程度の貯金は用意しておく必要があります。
老後資金は付加年金やiDeCo、小規模企業共済を利用
また、育児世代で気になるのが老後費用ではないでしょうか。フリーランスは国民年金のみのため、会社員以上に老後資金をしっかりと用意する必要があります。
まずは国民年金に付加年金をつけるといいでしょう。国民年金に月々400円を上乗せして支払うことで、老齢基礎年金受給時に「200円×付加保険料納付月数」を上乗せして受給できます。
たとえば25年間払うと合計で「400円×300ヵ月=120,000円」を払い込みますが、年額「200円×300ヵ月=60,000円」が受給できます。つまり2年間で元が取れるので、利用する価値はあるでしょう。
さらに個人型確定拠出年金のiDeCoや小規模企業共済、国民年金基金(付加年金との併用はできません)などでも老後の資金準備ができます。iDeCoや小規模企業共済は掛け金が全額所得控除になるなどの節税効果があります。節税しながら賢く老後資金を用意する方法を検討しましょう。
フリーランスの不安定な部分を補うには個人の努力が必要ですが、その分お金についての知識が深まり、能動的に老後に向けての準備ができるようになるというメリットもあります。
おわりに
育児中の女性が働きやすいフリーランスですが、メリットもデメリットもあります。ここで紹介した以外にも、職種によってはキャリアにつながるメリットもあれば、自分で確定申告をしなければならないデメリットもあります。総合的に判断して、働き方やお金について考えてみてくださいね。
宮野 茉莉子