このごろ認知度が上がりつつある「つみたてNISA」。

とはいえ、制度の具体的なしくみや、メリット・注意点などは、実は意外と知られていないものです。

「つみたてNISA」の普及によって長期投資の大切さがうたわれるようになりましたが、「長期」とはどのぐらいの期間なのか、そしてなぜ「長期投資」が良いのか、その理由もあまり知られていません。

私は10年以上、大手証券会社で勤務していました。その経験から、つみたてNISAの制度や長期保有が圧倒的に有利な理由についてお話ししてまいります。

つみたてNISAの「メリット」とは?

そもそも「つみたてNISA」とは、どのような制度なのでしょうか?

金融庁「つみたてNISAの概要」をもとに、メリットと注意点に分けてご説明していきます。

メリット「売却益や分配金が非課税である」

つみたてNISAの唯一にして、最大のメリットが「非課税である」ということです。

例えば、今年つみたてNISAで非課税枠の上限である40万円分対象の投資信託を購入したとします。この投資信託の価格が仮に10年後、60万円に上がった時点で売却した場合、つみたてNISAであれば60万円全額を受け取れます。

これを通常の証券口座で購入していた場合、売却時に4万円ほど税金が引かれ、受け取れる金額は約56万円になります。

これは、現在の税制度では利益に対して20.315%の税金がかかるためです。

一方、つみたてNISAの注意点は3つあります。次で見ていきましょう。