この記事の読みどころ
- 今回の米地区連銀経済報告書(ベージュブック)は、12月利上げをバックアップする内容となるかが注目されます。
- 日本の全産業設備投資額(ソフトウェア)の市場予想は、14期ぶりのマイナスとなっています。
- 10月の米国非農業部門雇用者数は、米国の雇用環境の底堅さを示していました。
今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひ、チェックしましょう!
今回のベージュブックは、12月利上げをバックアップする内容となるか
12月1日(木)2:00(日本時間)に、米国の米地区連銀経済報告書(以下、ベージュブック)が発表されます。
ベージュブックは、次回の米連邦公開市場委員会(以下、FOMC)での協議の叩き台となる、全米12地区の詳細な現状報告(雇用・生産・販売・出荷・在庫・貿易・物価)です。
先週発表されたFOMC議事録(11月1-2日公開分)では、12月利上げに関して「一部の参加者は、FRBの信頼性を保つため12月に利上げを行うべきと主張」といった議論があったことが明らかになりました。
今回のベージュブックでは、12月利上げをバックアップする材料が盛り込まれているかどうかに、マーケット参加者の関心が集まりそうです。
全産業設備投資額(ソフトウェア含む)の市場予想は、14期ぶりのマイナス
12月1日(木)8:50に、日本の7-9月期四半期法人企業統計調査が発表されます。
この経済指標は、国内企業の活動実態を把握するためのものであり、主に企業の売上高、経常利益、設備投資の動向に関心が集まります。詳細は、筆者が以前執筆した記事を参考にしてください。
前回の4-6月期の同指標は、売上高・経常利益(前年同期比)ともに3期連続のマイナスとなりました。
ただし、この期間は熊本地震による生産停止等の影響で輸送用機器(自動車)の落ち込みが目立ちました。また、経常利益も前年同期比でマイナスとはいえ、金額ベースでは過去最高だった前年同期に次ぐ水準であった点には注意しましょう。
一方、マーケット参加者が注目する全産業設備投資額(ソフトウェア含む)は、+3.1%とプラスを維持しました。
今回、7-9月期の全産業設備投資額(ソフトウェア含む)の市場予想は、-0.5%と14期ぶりのマイナス予想となっています。
底堅い米国の雇用環境
12月2日(金)22:30には、米国の11月非農業部門雇用者数(前月比)が発表されます。
米国の労働省労働統計局が公表する雇用統計のうち、マーケット参加者が特に注目するのは、「非農業部門雇用者数の変化率」と「失業率」です。詳細は、筆者が以前執筆した記事を参考にしてください。
前回、10月の同指標は16.1万人増(前月比)、失業率は4.9%と市場予想を下回ったものの、平均時給等には改善が見られ、全般的に底堅い内容となりました。
今回、11月の同指標の市場予想は17.3万人増(同)、失業率は4.9%となっています。
【参考情報】各経済指標の元データ
米国の米地区連銀経済報告書(ベージュブック)は連邦準備制度理事会(FRB)のウェブサイト、法人企業統計調査は財務省のウェブサイト、米国の非農業部門雇用者数は労働省労働統計局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。