平時であればレジャーや帰省で心がおどるはずのゴールデンウイーク・・・のはずが「コロナ2年目」の春もまた、私たちは昨年同様、緊急事態宣言下で過ごすことを余儀なくされました。

こうした状態が続くことによる日本経済への影響は、今後、加速度的に表面化するかもしれません。

帝国データバンクが公表する倒産集計一覧によると、2020年の倒産件数は7809件。2021年は4月までの集計で2085件にのぼりました。

勤め先の倒産は、人生計画を大きく左右します。なかには明日の生活に直結するような影響を受けることもあるでしょう。ひとり暮らしの方の場合は、より心細さが増すかもしれません。

私は、国内の大手生命保険会社の勤務経験を経て、フィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。その経験をいかして、平時のゆとりにも非常時の備えにもなる貯金について、本当のところを見ていきたいと思います。

家計の貯金額は過去最高を更新。その内訳は…?

テレビやニュースにて「コロナ不況」の報道が続くなか、家計の貯金額は過去最高を更新しました。「ちょっと意外」と感じた方もいらっしゃるでしょう。

日本銀行の「2020年第4四半期の資金循環(速報)」調査によると、2020年12月末時点の家計の金融資産合計額は1948兆円です。2019年12月時点の1893兆円とくらべると、1年間で55兆円も増加しています。

元々貯金好きで知られる日本人ですが、レジャー・外食など個人消費の花形産業が営業制限を受け続けていることや、先行き不安な状況が「お金を使わないで貯金する」という流れを後押ししていることが考えられそうですね。

なお、個人家計の金融資産の内訳は以下のようになっています。「その他」以外については比率が高い順番にならべました。

家計の金融資産合計「1948兆円」の内訳

「現金・預金」…1056兆円(54.2%)
「保険・年金・定型保証」…531兆円(27.3%)
……うち保険…376兆円(19.3%)
「株式等」…198兆円(10.2%)
「投資信託」…78兆円(4.0%)
「債務証券」…26兆円(1.4%)

「その他」…59兆円(3.0%)

「現金・預金」の比率が54.2%でダントツの1位でした。第2位は「保険・年金・定型保証」の「うち保険」(19.3%)、第3位は「株式等」(10.2%)と続きます。

全体の状況を見る限り、2020年の家計の貯蓄は好調に思われます。では、ひとり暮らしの世帯の場合、実際にいくらの貯金があるのでしょうか。