貯金で不足するなら「資産運用」の検討を

さきほど、ゆとりある老後の生活に必要となる資金は5000万円以上にもなることをお伝えしました。一方、直前の50代世帯の貯蓄額の平均は1684万円。単純計算すると、約3000万円以上足りなくなりますね。

では、この不足分をどのように埋めていきましょうか。サラリーマンのみなさんであれば、最初に「退職金」が頭に浮かぶ方も多いでしょう。

リタイヤ時に定年退職金としてまとまった金額を受け取ることができれば、貯蓄が大幅に増え、老後資金の不足分をある程度埋めることができる世帯もあるかと思います。

とはいえ、退職金額には勤務先や勤続年数の影響を受けるため個人差があります。さらにいうと、民間企業の場合は、退職金の制度がない会社がある点にも注意が必要でしょう。よって、退職金に過剰な期待をすることは、できるだけ避けたほうがよいといえそうです。

そこで、解決策として出てくるのが「資産運用」です。

資産運用の鍵を握るのは、「長期、分散、つみたて」の3つです。この3つのキーワードを軸に、目標を持って計画的に実行するものです。

現在、日本にはつみたてNISAという制度があります。毎年40万円を上限に、20年間運用期間が設けられており、運用益が非課税となる制度です。老後を見据えた長期的な資産運用を考えたとき、活用を検討してもよいでしょう。

まとめにかえて

資産運用ビギナーの場合、株式や投資信託といった投資性のある金融商品にいきなり手を付けるのは抵抗があると感じる人もいらっしゃるでしょう。

とはいえ、超低金利政策が続くこんにち、銀行などの預貯金だけで資産を保有している場合、なかなかお金は増えません。そんななか、老後資金の心配を払拭するために、資産運用のスタートを検討することはとても意味あることといえます。

貯蓄の進捗状況は人それぞれ違いますが、「老後」は皆さんに等しく訪れるものです。

資産運用で成果を出すためには、ある程度の期間が必要です。老後の暮らしが気になり始めたら、できるだけ早い段階でお金の専門家に相談し、ご自身の老後の設計図を描いてみてはいかがでしょうか。

参考資料

岡崎 泰輔