「母の日」や「父の日」は、いつもはちょっと恥ずかしくて伝えにくい感謝の気持ちを伝える良い機会ですよね。家族の長期的な将来に、とりわけ将来介護が必要となったときについてのお話をされた方も少なくないでしょう。

さて、親御さん世代の中には「将来は老人ホームの世話になるから、面倒を見てもらう必要はない」などと子どもの前で宣言したものの、費用はどのくらいかかるのか、年金だけでやっていけるのか不安になっている人も多いと思います。

そこで今回は、老人ホームの種類と費用の相場をご紹介します。

「老人ホーム」の種類

ここではざっくりと“老人ホーム”という呼び方をしていますが、高齢者向けの施設にはどのような種類があるのか見てみましょう。表「おもな高齢者向け施設の種類」をごらんください。

公的施設の場合は、介護保険が適用されるため、民間施設よりも比較的安価で利用できます。介護が必要となった時に利用できる施設で公的施設は以下の3つです。それぞれの特徴を見てみましょう。表「公的な高齢者向け施設」をごらんください。

Aさんのケース:要介護2認定・同居家族有

例として、要介護2認定の同居家族がいるAさんが、この3つの施設のどこかに入居できるのかを考えてみましょう。

どの施設も要介護認定を受けていることが条件となり、特別養護老人ホームについては要介護3~5の認定が必要です。さらに、自宅において介護を受けることが困難な場合とされているので、同居の家族がいる場合は、特別な事情がない限り入居はできません。

介護老人保健施設は、在宅復帰を目的としているため、短期間しか入居できません。
介護医療院は医療的ケアが必要な人のための施設なので、重い疾患を持っている人が優先されます。重度の医療ケアが必要でなければ、要介護2であるAさんが入居するのは難しいでしょう。