株価が暴落すると、暴落がさらなる暴落を呼ぶメカニズムが働くことがあります。それを見て投資初心者は狼狽売りをしてしまう場合も多いので、要注意です。

投資する際にあらかじめメカニズムを理解しておくこと、暴落した際にメカニズムを理解した上で正しい判断をすることがいずれも重要だ、と筆者(塚崎公義)は考えています。

株価が下がると売り注文が増える?

このところ、株価が下落しています。理由は明確ではありませんが、市場参加者の高値警戒感による不安心理が背景にあり、小さな出来事に株価が大きく反応したのでしょう。

株価の短期的な推移を予測することは極めて困難で、筆者には全く不可能ですが、株価が下がると売り注文が増えていっそう株価を押し下げるメカニズムが働きかねないということは投資初心者に知っておいていただきたいですね。

今後も株価の下落が続くと狼狽売りをする初心者が増えると思いますが、本稿がそれを防いでくれれば幸いです。

「売りたくない売り」が出て来る

まず、借金で株を買っている投資家のところに、不安になった銀行から融資返済の要請が来るので、投資家は保有株を売って借金を返済することになります。「株価が暴落した今こそ、買い増しのチャンスなのに」と思いながら、泣く泣く売り注文を出すのです。

個人投資家でも、「信用取引」を行なっている場合には、株価が一定以上暴落すると「追加証拠金」を請求される場合があります。これが払えないと、泣く泣く保有株を売却することになるはずです。