次に、機関投資家の多くは、「損切り」というルールを設けています。これは、担当者の損が一定水準に達すると、自動的に持っている株を全て売って休暇を取らせる、という制度です。

損を取り返そうとして損失が無限に膨らんでしまう担当者が出ることを防ぐという目的でしょうが、「損が膨らんだ担当者は頭に血が上って冷静な判断ができなくなるから、休暇を取らせて頭を冷やさせる」という目的もあるのでしょう。

このように、借金で株を買っている人や機関投資家の担当者は、相場観からは買いたくてしかたない時に強制的に売らされるわけです。そうなると、「誰が見ても株価は下がりすぎているのに、なおいっそう下がっていく」ということが起こりかねません。

投資初心者が狼狽売りをする

そうなると、投資初心者は不安になります。「自分の知らないところで何か重大なことが起きつつあり、この世の終わりが近づいているのではないか」と考えるわけです。そこで、狼狽売りの注文が出されるわけです。

加えて、株価の暴落を経験したことのない初心者は、自分の取れるリスクをしっかり把握せずに、過大な投資を行っている場合もあるでしょう。そんな投資家は「これ以上株価が下がったら破産だから、今のうちに売り逃げるしかない」と考えるかもしれません。

くれぐれも、株式投資は余裕を持って、ある程度株価が暴落しても耐えられる程度の金額にとどめておくべきですね。