「森鴎外の本名は森林太郎です。彼はドイツに留学していたとき、自分の『りんたろう』という名前が外国人には、発音しづらいことを知り、子供たちには『外国人でも発音しやすいように』とドイツ語やフランス語で表記できる名前を付けたんです」
ちなみに、鴎外は孫にも真章(まくす)、富(とむ)、爵(じゃく)と命名しています。
奥様は、森鴎外のエピソードをご主人から聞き、「キラキラネームだなんて偏見を持つ方がおかしいのではないかな、と考えるようになって。そうすると、なんだかこの名前しかない、と思うようになったんです」
ご主人はさらにこう語ってくれました。
「きっと名前の由来や私たちの名前に対する思いを知ったら、我が子も自分の名前に誇りを持ってくれるはず。『君の名前は世界一の素敵な名前なんだよ』と、私たちも折に触れ伝えようと思っています」
シンプルで日本人らしい名前をつけてあげたかった
続いてお話を伺ったのは、Bさん夫婦。ともに30代のおふたりの間には、3歳の男の子と1歳の女の子がいます。
Bさん夫婦の子供の名前へのこだわりは、「日本人らしいこと。そして、シンプルなこと」。その結果、まれに周りの人から「古風な名前だね」「うちの祖母と同じ名前だわ」などと言われることもあるそうです。