中国との対立関係といえば米国にほぼ焦点が集まるが、最近は英国との関係もかなり冷え込んでいる。

今月上旬、英国では先進7カ国にインドやオーストラリア、韓国などが加わった拡大外相会合が開催されたが、そこでは中国とロシアが最大の脅威と位置付けられた。

英国は6月に主催するサミットでも、インドやオーストラリア、韓国を招待することを明らかにしており、中国の英国への不信感も高まっている。

ウイグル問題で中国への批判が高まるなか、英国は米国やカナダと一斉に中国に制裁を発動。

H&Mやナイキなどの欧米企業がウイグル産の綿花を使用しないと明らかにしたことで、中国国内では不買運動を呼び掛ける声がSNS上で拡散するなど一時大きな騒ぎとなった。

また、EUから離脱した英国は新たな経済パートナーとしてインド太平洋地域を重視している。

それはトラス国際貿易相が今年1月、日本やオーストラリア、シンガポールなど11カ国が加盟する環太平洋連携協定(TPP)に正式に加盟する姿勢を示したことからも明らかだ。

このように、英国と中国との関係は悪化傾向にある。今回のウイグル問題による不買運動のように、両国間で新たな政治的摩擦が生じると、中国に展開する英国企業の経済活動にも何かしらの影響が出てくる可能性がある。