退職金をアテにして大丈夫?
ここまで読んで「60歳(もしくは65歳)の定年まで勤めれば、老後のお金の心配は不要かも?」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
実はここで注意が必要です。退職金をアテにできるのは、あくまでもお勤め先に「退職給付制度がある場合」です。退職金制度を設けるかどうかは、会社の裁量に任されています。
厚生労働省の「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況」では、退職給付制度がある企業は80.5%と示されています。つまり、残りの2割程度は制度自体を設けていない、ということになります。また、業種や企業規模によっても差があります。
退職金の制度そのものがなければ、勤続年数がどれだけ長くても、退職金を受け取ることができないわけです。ご自身の勤続年数だけで早合点することなく、勤務先の退職金制度について早めに確認しておくことがたいせつです。
減り続ける「退職金の平均額」
さらにいうと、退職金の金額は年々減り続けています。ここで、厚生労働省「就労条件総合調査」の過去年度分から、退職金の平均額を振り返ってみます。
退職者1人平均退職給付の推移
(勤続20年以上・かつ45歳以上の定年退職者/大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 2003年・・・2499万円
- 2008年・・・2280万円
- 2013年・・・1941万円
- 2018年・・・1788万円
退職金の平均額は、2003年から2018年の15年間で約700万円も減少しています。