東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に発令された、3度目の緊急事態宣言ですが、昨日、この期間は5月末まで延長することが決定。愛知、福岡の追加も発表されました。
変異を繰り返す新型コロナウイルスとの戦いが長引くほど経済の低迷が続き、「失われた30年」ならぬ「失われた40年」へ突入する可能性が高まりそうです。
私はこれまでフィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。
この1年は特に「老後の不安を解消したい」という理由でご相談に来られるお客さまが多かったようです。
私達の老後を少しでも豊かなものにするためには、何ができるのでしょうか。今回は、公的年金の繰下げ受給についてみていきましょう。
国民年金と厚生年金のおさらい
公的年金には、国民年金と厚生年金の2種類があります。
国民年金は、国内に居住している20歳以上60歳未満の者が全員加入しなければならない年金制度です。
現役期間中に納める保険料の全額が所得から控除され、老後を支える終身年金として納付月数に応じた老齢基礎年金を受け取ることができます。
2021年度時点では、月々納付する国民年金保険料は1万6610円、20歳から60歳までの40年間すべて保険料を納付していれば、65歳から月額6万5000円の老齢基礎年金を受け取ることができます。
一方、厚生年金は企業などに勤務する会社員や公務員が対象で、所得比例の年金です。
納める保険料は収入により変わり、現役期間中に収めてきた保険料額・納付月数に応じた老齢厚生年金を国民年金(老齢基礎年金)に上乗せで受け取ることができます。
毎月の厚生年金保険料は、月ごとの給料に対して定率となっており、2020年度末日時点で18.3%です。
厚生年金は勤務先が保険料の半額を負担しているため、実際の納付額は給与明細などに記載されている保険料の倍額を納めていることになります。
老齢厚生年金の支給開始年齢は従来60歳からでしたが、段階的に引き上げられ、2025年(女性は2037年度)には、65歳からになります。