メタンハイドレートはどこに存在?
メタンハイドレートはシベリアなどの永久凍土の地下、数百〜1000mの堆積物中に存在することもありますが、そのほとんどは海底に存在しています。
海底のメタンハイドレートには、砂層型と表層型という2種類のタイプがあり、砂層型は大陸棚がより深い海底へとつながる海底斜面内の水深500〜1000mの地下数十から数百mに存在します。
日本近海は世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を有し、砂層型は本州(西日本)、四国、九州の太平洋側に埋蔵域が集中しています。この調査は2001年に始まっています。
表層型は2013年に調査が始まり、日本海側、水深500m以上の海底の泥の中に塊状で存在しています。新潟県上越沖の集積地では、メタンガス換算で約6億立方メートルと、日本の天然ガス消費量の約2日分の埋蔵が確認されています。なお、同様の地質構造は国内に1742か所あるとのことです。
こうした日本のメタンハイドレートの資源量は、メタンガス換算で「12.6兆立方メートル、日本で消費される天然ガスの100年分以上と推計されている」とする記事もあります(「120兆円の価値がある日本のメタンハイドレート。もう石油はいらない?」ダイヤモンドオンライン2016年3月24日)。
日本近海のメタンハイドレート採掘に期待
メタンハイドレートは天然ガスの原料として前述のように調査が進んでいましたが、政府は2月の総合資源エネルギー調査会で、水素の製造や、ひいてはアンモニア製造の原料としてメタンハイドレートを活用することにも言及しました。
従来は砂層型の採掘開発研究が進んできましたが、近年になってより浅い表層型の調査が進んでいます。しかし、その採掘技術はまだ確立されていません。
三井海洋開発は、石油などを海底から効率的に吸い上げる技術を開発し、海上に設ける浮体式生産設備を提供する世界的企業ですが、本年度に他社に先駆け、メタンハイドレート採掘実験に着手すると報じられています。メタンハイドレートを採掘後、吸い上げてメタンガスを抜き取り、海底パイプラインで陸上の基地に輸送する計画です。