自営業・フリーランスは「年金を増やす工夫」を

自営業・フリーランスは年金が少ないため、老後への不安が残ります。しかし、そんな自営業・フリーランスが老後に備えるための制度もいくつか用意されています。これらの制度の活用をぜひ検討してみることをお勧めします。

国民年金の付加保険料

毎月の国民年金保険料に400円上乗せして納付することで、将来受け取る国民年金の額が1年につき「200円×付加保険料納付月数」分プラスになる制度です。

例えば、20年間毎月400円を納めた場合、付加保険料の総納付額は
200円×12カ月×40年=9万6000円です。
これに対し、毎年4万8000円(200円×12カ月×20年)が年金額に上乗せされます。

付加保険料を納めた分は2年で元が取れる計算になりますので、非常にお得な制度です。

国民年金基金

国民年金基金は、自営業、フリーランスと会社員等との年金額の差を解消するために創設された公的な年金制度です。会社員の厚生年金部分にあたる、自営業・フリーランスの2階建て部分の制度といわれています。

ライフプランに合わせて年金額や受取期間を設計でき、加入後もプラン変更が可能です。掛金は全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるため、節税にも繋がります。

※ご注意※
「国民年金基金の加入」と、先述の「国民年金の付加保険料の納付」の併用はできません。国民年金基金の保険料に「付加保険料相当」が含まれているためです。

 

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)

iDeCoは、自分で掛金を運用して、運用成績に応じた金額を60歳以降に受け取る私的年金制度です。フリーランス・自営業者は6万8000円が掛金の上限です。なお、この金額は国民年金基金や国民年金付加保険料との合算額になります。

運用商品はリスクのある投資信託のほか、定期預金や保険商品などの元本が確保された安全性の高い商品も選ぶことができます。掛金は全額所得控除となるほか、運用で出た利益も非課税になります。

さいごに

フリーランス・自営業は老後に受け取る年金額が少なく、年金だけでは老後の生活を送れるとはいえません。安心したセカンドライフを迎えられるように、早いうちから老後を見据えて準備していけるといいですね。

年金だけでは老後資金が不足する人に向けて、国が用意した「老後に備えるための制度」の活用の検討を、ぜひお勧めします。

参考資料

石黒 杏樹