短期間で大きなリターンを得ようと思うと高リスクの商品を選ばざるを得ません。ですが、「減らさない」ことを大前提に商品を選び、貯金よりも少し良い利回りで増やすというスタンスを貫き、比較的安全性の高い商品を選びましょう。
”自分で運用するのは自信がない”という人は、ノーロード(販売手数料ゼロ)などコストが安い投資信託を選んでもいいですし、ロボアドバイザーを利用してみるのもいいでしょう。
できるだけ長く働ける環境を整える
老後生活の開始時期をできるだけ繰り下げるという方法もあります。つまり、できるだけ長く働ける環境を現役のうちに整えておくということです。
サラリーマンの場合、いま働いている会社は60歳もしくは65歳で定年を迎えるという人が多いと思います。その先、どうなるかをしっかり調べて対策を練ることが大事です。
具体的には、継続雇用は可能なのか、可能なら雇用形態はどうなるのか、収入はどのくらい減るのか、立場や役職、業務内容や業務時間はどう変わるのか、といった事柄です。
また、制度上は継続雇用が可能になっていても実際にロールモデルが存在しない場合もありますので、社内でロールモデルとなる人を見つけておくことも大事。収入が減ったとしても、定年後も継続雇用してもらえる場合はできるだけ長く働きたいものです。
また、継続雇用が難しい、ロールモデルが不在という状況であったとしても、これまでに得てきた専門知識や経験、職務スキルをフルに活用し、フリーランスのコンサルタントに転じる人も最近は増えてきました。
自分が長く、心地よく働ける環境をつくるために、現役のうちから定年後を見据えて準備しておきましょう。
おわりに
今回は50代からでもできる老後資金問題の対策についてご紹介しました。40代・50代になると老後の生活をよりリアルに感じる瞬間が出てくると思います。焦りや不安を感じる人も多いかもしれませんが、今からでもしっかり準備することは可能です。できることから始めてみましょう。
大塚 ちえ