ここ数年「FIRE」という言葉が流行していますが、みなさんは聞かれたことがありますでしょうか。
「FIRE」とは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので「経済的に自立して、早期リタイアすること」を意味します。
標準的な引退年齢よりも早くリタイアし、40代、50代にはリタイアを実現させることが狙いです。
早期リタイアが目的ではなくても、貯蓄はあるに越したことはありません。しかし、実際にお金を貯めるとなると、なかなかうまくいかないのが難しいところです。
実際、統計によると50代世帯のうち、金融資産を保有している割合は82.7%で、13.3%が金融資産を保有していません。(※残り3.9%は無回答)
この数字が多いのか少ないのか、人によって判断が分かれるところですが、実際に「貯蓄が得意な人」と「そうでない人」には共通する特徴があります。
私は生命保険会社の勤務経験を経て、フィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。
そこで今回は、50代の貯蓄額を見ながら、誰でもできるお金を貯める方法についてご紹介します。
50代の貯蓄額、1000万円は普通か
まずは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年調査結果」から、50代の金融資産保有世帯の貯蓄額を見てみましょう。
- 平均値:1955万円
- 中央値:1000万円
一般に、大半の人の感覚に近いと言われるのは中央値です。
1000万円と言うと、大きな金額で貯めるのが大変なように感じますね。
1000万円を貯めるなら、例えばですが、大学を卒業してから30年、毎月約2.8万円をコツコツ貯めていけば、50代になる頃に約1000万円のお金が貯まります。
しかし、社会に出てから50代になるまでの間に、結婚・出産・子育て・住宅購入・転職など大きなライフイベントがいくつも起こります。
せっかく貯めようとしている1000万円ですが、手をつけずに様々な出費に対応するのは、なかなか難しいのが現実でしょう。
そう考えると、月々3万円弱の貯蓄だけでは、お金を右肩上がりに貯めていくことは難しいのかもしれません。
それでは、ここで同資料から金融資産保有額別の分布を見てみましょう。
50歳代の金融資産保有額(金融資産保有世帯)
- 100万円未満:7.4%
- 100~200万円未満:6.1%
- 200~300万円未満:6.1%
- 300~400万円未満:3.2%
- 400~500万円未満:4.0%
- 500~700万円未満:9.5%
- 700~1000万円未満:10.6%
- 1000~1500万円未満:13.5%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:12.5%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:4.5%
このデータによると、1000万円以上の貯蓄がある人は全体の48.5%になります。
早期リタイアを目指すには、もうちょっとだけ大きい金額を目指したいところです。
貯蓄を着々と増やせる人にはどういう特徴があるのでしょうか。
「誰でもお金を貯められる方法」貯蓄上手の共通点3つ
私は、これまで1000世帯を超えるお客さまからお金の相談を受けてきました。
貯蓄を順調に増やすことができる人の共通点3つを、今からご紹介します。
しっかり貯蓄を増やしていきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
貯蓄上手な人の特徴その1:目標がある
今回のテーマにもありますが、50代で1000万円の貯蓄を目標とした場合、社会人になってから30年間、毎月2.8万円を貯め続ければその目標は達成できます。
「30年で2000万円は貯めておきたい」と考える人は毎月5.5万円、「早期リタイアを目指して30年で5000万円は欲しい」と考える人は毎月13.8万円の貯金が必要です。
いつまでにいくら欲しいかを明確にしておけば、ゴールに向かって着実に進んでいくことができます。
単純なことではありますが、意外と大切なことですので、ぜひやってみてください。
貯蓄上手な人の特徴その2:人と比べない
ご相談にいらしたお客さまの多くは「他の人は、毎月どのくらい貯金するのですか?」と聞かれます。
もちろん、「平均的な月々の貯金額がいくらか」、「自分の年齢だといくら貯蓄があるものなのか」、気になるのは自然なことです。
貯蓄上手な人は、自分はいくら必要なのかを、自分の問題として捉えることができています。
目標額を達成するためには「みんながいくら貯めているか」より「自分はいくら貯めれば、目標が達成できるのか」と考えることがポイントです。
貯蓄上手な人の特徴その3:成功体験を積み重ねる
意外に思われるかもしれませんが、貯蓄とダイエットは似ています。
初めから無理をしてお金を貯めようとすると、続けることが難しくなります。
途中で辞めてしまったり、我慢の反動で衝動買いをしてしまうなど、まさにリバウンドのような状態を繰り返してしまいます。
そうなると、人間の心理として「私には向いていない」「今が楽しい方がいいよね」と現実逃避してしまい、苦手意識へつながりやすくなるのです。
これは大変もったいないことです。そうならないために、モチベーションを下げない工夫をしてみましょう。
貯蓄上手な人は、「無理はしていないけど、意識したら貯められる」という、ちょっとだけ高めの目標を設定しています。
「今月もちゃんと貯金ができた」という小さな成功体験はとても大事です。この積み重ねが目標達成につながっていくのです。
効率的に貯蓄を増やすには
ここまで、貯蓄の方法として、自分の目標を設定し、自分にあったペースでお金を貯めることをお伝えしてきました。
当たり前ですが、目標額は大きいほど、毎月貯金する額も大きくなります。
さきほどの、30年で5000万円貯めるという例で考えると、「目標は5000万円だけど、今の自分の収入では毎月13.8万円も貯められない」という場合もあるかもしれません。
効率よくお金を増やすには、金融商品の活用も考えてみてください。資産運用に目を向けるのも効率よくお金を増やす、ひとつの方法です。
例えば、毎月の積み立て金額を約5万円、想定利回り年率6%、積み立て期間30年で運用すると、最終積み立て金額は5022万5752円となります。(※金融庁「資産運用シュミレーション」で筆者計算)
預貯金だけで貯めると、13.8万の毎月積み立てを続ける必要がありますが、資産運用を行えば、毎月積み立て額は5万円で済みます。積み立て額の差は月8.8万円となります。
将来への貯蓄もしっかり行いながら、今の楽しみも大事にしたい方にとっては、自分で自由に使えるお金も確保できます。ライフスタイルの点からしても、大きな差ができますね。
お金があるとついつい使ってしまう・・・という方は、自動的に毎月決まった金額が引き落とされるような金融商品で習慣づくりから始めるのも良いかもしれません。
まとめにかえて
代表的な金融商品には、株式、投資信託、運用系の保険、債券、定期預金などがありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
また、何をメリットと感じ、何をデメリットと感じるかも人それぞれです。
自分にあった方法で、理想のハッピーリタイアを目指したいですね。
参考資料
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年調査結果」
尾崎 絵実